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重岡銀次朗が3度目の防衛に失敗 タドゥランに9回TKO負け

スポーツ報知 2024年7月28日 19時57分

 ◆プロボクシング ▽IBF世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ●王者・重岡銀次朗(TKO9回2分50秒)同級1位ペドロ・タドゥラン〇(28日、滋賀ダイハツアリーナ)

 IBF世界ミニマム級王者の重岡銀次朗(ワタナベ)が、同級1位の挑戦者ペドロ・タドゥラン(フィリピン)に9回TKOで敗れ、3度目の防衛に失敗した。滋賀で行われた初のボクシング世界戦、初めてメインを務めた試合で結果を残すことはできなかった。戦績は24歳の重岡が11勝(9KO)1敗1無効試合、27歳のタドゥランが17勝(13KO)4敗1分け。

 これまでメインイベンターだった兄の優大(ワタナベ)が、3月のWBCミニマム級タイトルマッチでメルビン・ジェルサエム(フィリピン)に判定負け。今回は初めてメインを務めることになった。「いい意味でプレッシャーと俺がやらなきゃと責任感を持っている」と強い覚悟を持って臨んでいた。

 昨年4月に行ったレネ・マーク・クアルト(フィリピン)とのIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦がIBFの年間最高試合に選ばれた。今年5月、表彰式出席のため、プエルトリコを訪問。その際、元世界2階級制覇王者であるイバン・カルデロン(プエルトリコ)のジムで練習し、アドバイスをもらった。「頭を振れとか、動き続けろと」。課題だったディフェンス面で大きなヒントになった。

 1回からハイスピードの攻防。上下の打ち分けを強いパンチで行ってくる相手に動き続けて巧みにかわした。それでも、なお打ち続ける相手に3回にパンチを当てられ、鼻血を出した。王者は左右のボディーで反撃。4回には右フックでぐらつかせた。しかし、5回には右まぶたが腫れ上がり、左ストレートに反応できない場面も見られた。

 6回にはタドゥランの左ボディーに銀次朗が苦悶の表情を浮かべる。7回にも強烈な左ストレートを浴びた。9回、ロープ際で連打を浴びたところでレフェリーがストップ。意識を失い、担架で運ばれた。

 銀次朗は熊本・開新高時代は56勝1敗で高校5冠を達成した。唯一の敗戦は、兄と対戦した高校1年時のインターハイ県予選決勝。初回のゴング直後に、兄弟で戦うことをしのびなく思った監督の判断で棄権したもの。プロでもこれまで無敗で、事実上、“生涯無敗”だったが初黒星となった。

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