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甲子園と同い年、創立100年の栃木・石橋が5点差大逆転で初切符…入江リリーフで8回1/3を熱投

スポーツ報知 2024年7月29日 5時40分

◆第106回全国高校野球選手権 栃木大会▽決勝 石橋9―8国学院栃木(28日・エイジェックスタジアム)

 栃木では、創立100年を迎える県立校・石橋が5点差を逆転し、初出場を決めた。

 100年分の思いを込め、執念で投げきった。石橋・入江祥太(3年)は1点リードの9回2死一、三塁で、右ふくらはぎがつって治療に下がったが、続投した。「球場からすごい拍手が湧き、力をもらえた」。最後の打者を一邪飛に仕留めると、ロングリリーフで113球を投じた右腕を囲むようにナインが喜びを爆発させた。

 甲子園と“同い年”の創立100周年での初出場。夏の栃木大会決勝進出も初だったが、壮絶な点の取り合いを制した。初回途中から8回1/3、3失点の超ロングリリーフでV投手になった入江は「野球の神様が見てくれていた」と漏らした。胴上げで計4度、宙を舞った福田博之監督(58)は「節目の年にいけるのは子どもたちがすごい持っている。本当に幸せ」と目を真っ赤にした。

 指揮官が「入江と心中なら悔いがなかった」と絶大な信頼を寄せる右腕が、漫画のようなストーリーを完成させた。作新学院中3年時の21年秋、石橋が作新学院を破った試合を目にした。「勉強もできて、野球も強いのがかっこよかった」と、強豪ではなく石橋に進学した。準決勝では2回2/3を無失点の好救援で、その作新学院を撃破。決勝も勝って夢をかなえ、「石橋に来てよかったと心から思います」と実感を込めた。

 進学校で午後7時まで2時間の練習後、11時近くまで勉強に励む日々。決勝翌日の29日は模擬試験が控えている。21世紀枠での昨春センバツ初出場から1年、指揮官は言った。「21世紀枠のお礼をするには、もう1回実力で甲子園に行くしかなかった」。聖地で1勝を挙げ、恩返しする。(13年度卒・竹内 夏紀)

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