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【高校野球】石橋が創立100周年でミラクル逆転V…8回1/3の超ロングリリーフの入江「野球の神様が見てくれていた」

スポーツ報知 2024年7月28日 21時7分

◆第106回全国高校野球選手権 栃木大会▽決勝 石橋9―8国学院栃木(28日・エイジェックスタジアム)

 甲子園と“同い年”の創立100周年の石橋が、初回の5失点をはね返し、初の夏の甲子園出場を決めた。同校初の決勝の舞台。初回2死二、三塁から3番手で登板し、“超ロングリリーフ”で最後まで投げ抜き、8回1/3を3失点に抑えた入江祥太(3年)は、悲願の初優勝に「新チームが始まった時からずっと甲子園を目指してやってきたので、甲子園に行けるのは本当にうれしい。野球の神様が見てくれていました」と満面の笑みを浮かべた。

 苦しい立ち上がりとなった。初回、先発の柳田瑛太投手(3年)が先制2ラン、二塁打を浴びて早くも継投。2番手アンダースローの平間翔大投手(2年)も流れを止められず、打者4人に3本のヒットを打たれたところで、準決勝までクローザーの役割を果たしていた入江祥太投手(3年)が1回2死二、三塁の場面でマウンドに上がった。その入江も適時打を浴び、初回に5点のビハインドを背負った。

 だが、流れを完全には渡さなかった。2回には8番・伊沢颯盛(3年)の走者一掃の3点適時打などで一時1点差に。一塁スタンドがチャンスのたびに総立ちになるなど、観客も味方に付けると、3点差の6回には、連続押し出しと入江の遊ゴロが失策を誘い、一挙4得点で逆転した。

 7回以降は入江が執念を見せた。1点リードの9回2死一、三塁の場面では、右ふくらはぎがつって治療に下がったが、続投した。「球場からすごい拍手が沸き、力をもらえた」と、最後の打者を一邪飛に仕留めると、113球を投じた右腕を囲むように石橋ナインが喜びを爆発させた。入江は「(つったのは)9回表の初球からで、今大会で初めて。それまでは大丈夫でした。さすがにこれでは、投げられないなと思って下がりました。(福田監督からは)あと1人で甲子園行けるんだから、今までやってきたことを全部出せって言われたので、強い気持ちで投げられました」と、緊迫した最後の守りを振り返った。

 5点差以上を逆転して優勝した例は、2003年に6点差をひっくり返した小山(作新戦)以来。栃木大会で公立校の夏制覇は、2005年の宇都宮南以来、19年ぶりとなった。自慢の息子の雄姿に、母の入江優子さん(49)は試合後、「だんだんと少しずつ実感が湧いてきましたけど、最初は信じられない気持ちでした。本当に子供たちのパワーがすごくて、信じてきてよかったなと。(甲子園では)自分たちの力を発揮して欲しいですね」と、しみじみと語った。

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