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【高校野球】日大三サヨナラ負けで3年連続の夏の甲子園ならず 土井主将号泣「ついてきてくれてありがとう」

スポーツ報知 2024年7月28日 22時9分

◆第106回全国高校野球選手権 西東京大会▽決勝 早実10X―9日大三(28日・神宮)

 日大三は早実に9回サヨナラ負け。ノーシードながら決勝まで勝ち上がったが、3年連続の甲子園出場とはならなかった。

 試合終了の瞬間、センターを守っていた日大三・土井貴仙(きせん)主将(3年)はその場に崩れ落ち「あと一歩で負けたので、悔しい思いで涙が出てきた」と号泣。審判に促され立ち上がり、一番最後に整列に加わった。スタンドへのあいさつでも、閉会式でも悔し涙が止まらなかった。

 両校計24安打が飛び交う3時間超えの大熱戦。早実に先制こそ許したものの、3点を追う3回表1死一、二塁、5番の岡本弦士(ゆずと)内野手(3年)が逆方向の右翼スタンドへ3ランをたたき込み、すぐさま4―4の同点に追いついた。その後は両校譲らないシーソーゲーム。だが、9―9で迎えた9回裏に無死満塁のピンチを招き、早実の8番・内囿光太内野手(3年)に決勝のサヨナラ左前安打を浴び力尽きた。

 土井は新チーム発足後、三木有造監督(50)から「チームをまとめてくれる。やるべきことをやって、ついてこいと背中で引っ張れる」と指名されキャプテンに就任。だが、最初の公式戦となった昨秋の東京大会は2回戦敗退。悔しさをバネに冬合宿ではひたすらにバットを振り込み、連続ティーや走り込みを重ねた。

 鍛錬を積み、強くなった自信を持って出場した今春の東京大会。結果は3回戦敗退。2大会続けての敗退に、主将として危機感が募った。「嫌われる覚悟でやろうと、厳しいことも言うようになった」。寮生のため今は離れて暮らす母・恭子さん(42)も「会うたびに責任感が増している。たくましくなってる」と成長に目を細めた。キャプテンの言葉に部員も奮起。練習への意識が変わり、室内練習場では深夜まで打撃練習をする打球音が響いた。「次第にぴりついた空気が生まれて、夏に向けてチームが一つになった」。チームは自信を取り戻し、さらに強くなって夏を迎えた。だが、あと一歩が届かなかった。

 「貴仙がいてくれたから(ここまで来れた)。ありがとう」。試合後泣き崩れる主将にチームメートが次々に声をかけた。土井は涙で言葉が出なかったが、胸の内にはしっかりと伝えようと思っていることがあった。「ついてきてくれてありがとう」と。

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