◆第１０６回全国高校野球選手権埼玉大会▽決勝 花咲徳栄１１―９昌平＝延長１０回タイブレーク（２８日・大宮公園）
１００年目の聖地へ、怪物続々―。埼玉では花咲徳栄が１０回タイブレークの末、昌平を１１―９で下し、５年ぶり８度目の甲子園出場を決めた。今秋ドラフト上位候補の石塚裕惺（ゆうせい）遊撃手（３年）は４安打４打点と存在感を放った。
石塚は、優勝の瞬間を誰よりも待ち望んでいた。延長１０回。昌平の最後の打者が放ったゴロが岡山稜投手（３年）のグラブに収まり花咲徳栄のＶが決定的になた瞬間に、もう遊撃の守備位置からマウンドまでダッシュしていた。「甲子園に行きたいという思いが、すごく強かった。少しフライングだったかもしれませんが」と笑顔を見せた。
１年前の７月２８日。同じく決勝で、９回の最後の打者になってから、浦和学院の優勝を報じる新聞の号外を寮の自室のロッカーに貼り、“この日”のために努力してきた。１回１死二、三塁で右中間を破る先制の２点三塁打を放つなど４安打４打点。「どの打席も『自分が決めてやる』という思いでいます」と喜んだ。
タイブレークの延長１０回には三走として三ゴロで本塁に突入する俊足ぶりも披露。視察したヤクルト・橿渕スカウトグループデスクは「攻走守に欠点のない、高校生ではトップクラスの遊撃手」と高い評価を与えた。昨夏は、上田西の遊撃手として甲子園に出場した横山聖哉がオリックスから１位指名を受けた。今年も、超高校級のショートストップが聖地にやって来る。（浜木 俊介）