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【高校野球】京都外大西、14年ぶり夏聖地ならず 上羽功晃監督は3年生に感謝「よくまとめてくれた」

スポーツ報知 2024年7月28日 23時50分

◆第106回全国高校野球選手権京都大会▽決勝 京都国際14―3京都外大西(28日・わかさスタジアム京都)

 京都外大西が3年ぶりの決勝で、京都国際に敗れ、14年ぶりの夏の甲子園出場はかなわなかった。

 試合終了後スタンドへのあいさつを終え、ひざから崩れ落ちた乾光葵主将(3年)に真っ先に駆け寄ったのはエース・田中遙音(3年)だった。2日前に119球を投じた左腕は「心は絶対に負けていなかったと思うが、体が思うように動かなかった」と初回、四球と自らの野選で広げたピンチに、犠飛など得点され、無安打で2点を失った。2回にも6点を献上し、なかなか流れを引き戻すことができなかった。親元を離れて生活を送る愛知出身の左腕が「父のような存在」と慕うのが上羽功晃監督。その指揮官も「気持ちのスタミナはあったが、体の限界はきていたと思う」と田中をねぎらった。

 今春のセンバツ初戦で山梨学院に1―7で敗戦。直後から田中は「タフさが足りていなかった」と山頂にある練習場へ、ふもとから約3キロの山道を駆け上がる伝統の練習メニュー、“山ラン”を毎日欠かさず行ってきた。その姿に指揮官も「本来は暑さに弱い子なんです。でも自分で貫いてやってきたことがスタミナだったり、自信になっていたと思う」と今夏も全6試合に登板したエースの姿に感服し、絶対的な信頼を置いていた。

 3年生に対して「個性が強くてまとめていくのが大変だったチームだとは思うんですけど、乾主将を中心に本当によくまとめてくれた。オープン戦は負けまくるんですけど、公式戦では粘り強く負けないチームでした」と上羽監督。「実際に2年生も試合に出ていますし、京都国際の選手たちが喜ぶ姿も目に焼き付けているはず。またいいチームを作りをして、次の試合に備えたいと思います」と来たる秋へ、視線を向けた。

 「今からはミーティングと紅白戦をします」という指揮官の言葉とともに、バスに乗り込んだ選手たち。3年生が残した財産を礎に、来夏こそは京都制覇という山を登り切る。

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