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【パリ五輪】松田丈志氏が「競泳界のニューヒーロー誕生だ」と絶賛する18歳松下知之が持つ持久力ともう一つの要素

スポーツ報知 2024年7月29日 7時53分

◆パリ五輪 第3日 競泳男子400メートル個人メドレー決勝(28日、ラデファンス・アリーナ)

 五輪初出場の18歳・松下知之(東洋大)が4分8秒62で銀メダルを獲得した。今大会の競泳陣メダル第1号。五輪3大会連続メダリストの松田丈志氏は、泳ぐ度に自己ベストを更新する松下の持ち味は、スプリント能力にあると解説した。

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 松下選手がやってくれた。18歳が競泳陣メダル第1号となり、何よりチームに勢いを与えたはずだ。

 ニューヒーローの誕生という泳ぎだった。松下選手の特長はスプリント能力にある。400個人メドレーは持久力に重きを置く種目だが、松下選手はそれにプラスしてスプリント能力にたけている。同種目の16年リオ五輪金メダリストの萩野公介さんよりもスプリント能力は上で、スピードと持久力を持ち合わせる万能型の選手だ。

 金メダリストを数多く育て上げてきた平井コーチの下でしっかり育っているという印象を受ける。6月下旬から約1か月間、スペイン・シエラネバタでの高地合宿の成果が現れた。高地合宿はひとつ間違えれば大きな調整ミスを招くが、経験豊富な平井コーチの指導が大きな力になった。前半は落ち着いてレースを進めて、後半にひとり一人を捕らえ抜いていく。ラストの自由形での追い込みは、まさにこの合宿があったからのものだ。

 五輪初出場で銀メダル。当然、4年後ロスでの金に期待は大きい。この種目には怪物・マルシャンが存在する。決勝でも5秒以上の差があり、松下選手にとって現時点でマルシャンを倒すというイメージは湧かないと思う。ただ、近づき追い抜くためのアドバイスとして他種目に挑戦するのもひとつの手だ。4泳法あるが、何かの種目に挑戦することにより総合力が上がり絶対王者の背中が見えてくるはず。勝てる種目をひとつでも持ちその差を縮めれば、勝てというマインドは自然と作れるはずだ。

 瀬戸選手(7位)は前半から積極的なレースを仕掛けたが、最後はスタミナ切れとなった。残念な結果に終わったが、200個人メドレーも残っているので、持ち前のスピードをいかしもう一度チャレンジして欲しい。

 女子100バタフライ決勝の平井選手(7位)はスタートの失敗が響いた。タイム的にはメダルの可能性もあっただけに、もったいなかった。悔しいと思うが、出場予定のメダレーリレーでの奮闘に期待したい。(北京、ロンドン、リオ五輪3大会連続メダリスト)

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