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【パリ五輪】週2の150段ダッシュで鍛えた阿部一二三の連覇ボディーは「ビルダー顔負け」…トレーナーが明かす

スポーツ報知 2024年7月29日 14時0分

◆パリ五輪 第3日 ▽柔道(28日・シャンドマルス・アリーナ)

 柔道男子66キロ級で阿部一二三(26)が2連覇を果たした。決勝でビリアン・リマ(ブラジル)に合わせ技一本で下した日本柔道通算50個目の金メダルで、連覇は8人目となった。一二三を妹で女子52キロ級の阿部詩(24)=パーク24=とともに専属トレーナーとして指導する寺田健太郎氏(33)が、パリ五輪に向けた取り組みを明かした。

 一二三との出会いは大学2年生だった2017年。当初はけがの予防などが主な目的だったが、丸山城志郎(30)=ミキハウス=との代表争いが激しさを増した19年頃から本格化した。当時から階級に比して筋肉量が多く、ウエートトレーニングでさらに筋肉を付けることは難しい状況。「重りをいかに早く動かせるかだったり、スピードや瞬発的に絶える力を大事にしたトレーニング」を中心に階段ダッシュなども新たに取り入れた。

 トレーニングも功を奏し、丸山とのワンマッチを制して東京五輪代表に決まった。寺田氏も「本人の中でこれだけの準備をすれば勝てるということが確立できた」と証言する。ワンマッチの調整を基本に、東京五輪でも金メダルを獲得した。

 パリ五輪に向けたこの3年間も稽古と並行し、階段ダッシュが週2回、ウエートトレーニングを週1回、サーキットトレーニングが週1~2回の流れを継続してきた。「東京五輪代表が決まるまでは試行錯誤したが、今はベースアップしていけば負ける感じがしない。逆に課題を見つけるのが難しい」と、あえて中身を大きく変えることはしなかった。

 階段ダッシュでは一二三の強みの瞬発的な技のキレにつなげるため、200段をあえて頂上までは走らず、150段を1分間の休憩を挟んで10往復する。「上まで行くと休憩が長くなったり、切れのない動きになってしまう。そうすると練習の質も落ちてしまう」との判断からだ。東京五輪前から走る階段では、3年前は16~17分だった合計タイムが、今は15分台と自己ベストを更新する。

 肉体の完成度も、ボディービルの大会への出場経験もある自身の視点から見ても「血管も出ていて、本当にビルダー顔負けの体。カッコイイ仕上がりをしていた」と目を細める。磨き上げた肉体も、連覇を支えた。(林 直史)

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