巨人・西舘勇陽投手(22)の先発転向挑戦が29日、正式に決まった。開幕からリリーフとして奮闘してきたが、阿部慎之助監督(45)が「どこかで先発させる。すぐには上げないけど。段階を踏んで」と明言した。チームは8月中旬に9連戦が予定されているが「9連戦が終わってくらいかな」と8月下旬以降の1軍先発デビューを想定。リーグ優勝に突き進むシーズン終盤、先発ローテに新風を吹かせると予告した。
ドラ1右腕は中大時代に先発もリリーフも経験。2月のキャンプでは阿部監督が「大きくね、大谷君みたいになってほしいので」と花巻東の先輩、ドジャースの大谷翔平のように先発として育てる考えを示した。だが、昨年の救援防御率リーグワースト3・81のブルペン強化へ3月にリリーフに変更。勝利の方程式の一角として6月までに26登板1勝2敗、防御率3・57、19ホールドを記録した。
疲労を考慮して6月30日に登録抹消。ファームでは桑田2軍監督の助言も受けながら練習を重ねた。27日のイースタン・DeNA戦(平塚)で公式戦初先発に臨み3回55球で1安打無失点、5奪三振と好投した。
このタイミングでの先発転向について、阿部監督は「もともと先発でやってほしい部分はあった。ある程度、中継ぎも今のメンバーでできるようになってきたので。西舘が(先発に)入って次世代のローテーションに入ってくれたらうれしいなというのはあった」と説明。現状は赤星、井上が先発5、6番手だが、そこに西舘の選択肢が増えれば、さらに層が厚くなる。
「この前3イニング投げて(次は2軍で)5イニング。先発に切り替えるのは大変だから」と焦らせない方針。「彼の夏休みは終わったので」と一歩ずつ前進して勝負の8、9月に先発で貴重な戦力になることを期待した。(片岡 優帆)