日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会（横審）の定例会合が２９日、東京・両国国技館で開かれた。会合後には山内昌之委員長が会見した。
名古屋場所は１２勝３敗の成績で、３場所ぶり１０度目の優勝を果たした横綱・照ノ富士（伊勢ケ浜）に関して「病を抱える横綱として１２勝３敗は立派な成績ではなかったかと思う。照ノ富士の特徴として相撲ファンを感動させる何ものかがある。ドラマと感動を呼び起こす横綱というのが、私にとっては印象深かった」と称賛した。
今後については「腰と膝を回復して健康な体を維持し、かつ健全な精神を見せることに尽きる。結果として横綱は落ちることがない地位。仮に優勝していい成績を収めても、次の場所では悪化して出られないという可能性がある。他の力士と違って番付は下がることはない。そういう点については本人の自覚が高く要求される特殊なポジション。そのあたりを自覚して次の場所、次の次の場所と、健康に土俵に戻ってきてほしい」と期待を寄せた。