◆パリ五輪 第４日 ▽卓球（２９日、パリ南アリーナ）
女子シングルス１回戦で平野美宇（木下グループ）が、ピッコリン（イタリア）を破った。
強烈なバックハンドを決めて勝利が決まると、平野は握りしめた手を掲げた。相手を寄せつけず、４ゲームを連取して快勝発進だ。シングルスでの五輪初白星に笑顔がはじけた。
東京五輪は石川佳純との壮絶なデッドヒートの末、個人代表権を逃した。「絶対に自分の卓球人生でパリ五輪、そして個人戦に出場するんだと強く思っていた」。五輪選考では同学年の伊藤美誠（スターツ）とのレースを勝ち抜いた。
「東京（五輪レース）の時は苦しく、卓球から逃げたいと毎日思っていた。今回は逃げずに準備してこられた」と精神的な成長を感じた瞬間でもあった。「諦めずにやれば、夢はかなうということを（見る人に）思ってもらえる存在に」と夢を諦めかけている人の希望になることを誓ってパリの地に立った。
この日は第１ゲームを１１―９で先取して勢いに乗った。２、３ゲーム目をともに１１―５で危なげなく連取。迎えた第４ゲームも１１―７で奪い、個人でのメダルを目指す平野のパリ五輪は最高のスタートとなった。