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【パリ五輪】日本選手団の旗手・江村美咲は3回戦で敗退「自分の弱いところ、悪いところが全部出てしまった」

スポーツ報知 2024年7月29日 21時43分

◆パリ五輪 第4日 ▽フェンシング(29日、グランパレ)

 女子サーブル個人3回戦で、世界選手権個人2連覇で開会式では日本選手団の旗手を務めた江村美咲(立飛ホールディングス)が、3回戦でチェ・セビン(韓国)に7―15で屈し、敗退した。「応援してくれた人にいい試合を届けたかったが、全然自分らしいフェンシングじゃなかった。自分の弱いところ、悪いところが全部出てしまった」と悔しがった。

 初戦の2回戦から苦戦した。14―14からウクライナ選手の懐を突いて薄氷の勝利を収めたが「(ポイントの)取り急ぎが目立った」と本来の試合運びには遠かった。3回戦は苦手の韓国選手に6―8から6連続失点を喫した。持ち前のフットワークを生かせず「一番悪い時の癖が出た」と悔やんだ。

 メダル獲得に挑んだ東京五輪は、まさかの2回戦敗退。自身で「完璧主義」と言うように、人の数倍努力しないとすまない性格だった。中大時代も練習後、仲間が休憩している間に10キロランニング。父の宏二さんが「ただ強くなりたくてやっていた」と振り返るように、自らを追い込み、そして敗れた。

 敗退後は抜け殻のようになったが、ジェローム・グース・コーチ(フランス)に師事後、考え方の幅が広がった。休む時は休む。そして何より「楽しめと言われることが増えた」と江村。試合では、前に出る剣だけではなく、遊びを持った考え方もできるようになった。そして22、23年世界選手権の2連覇。確かな成長を見せていたが、五輪の魔物に再びはね返された。

 ◇サーブル ハンガリー騎兵隊の剣技が由来。「突き」だけのフルーレ、エペと違って「切り」の動作も加わるのが特徴。頭と両腕を含む上半身全てが攻撃有効面。攻撃優先権を持つ選手が、有効面を突いたり切ったりすると得点が入る。日本は五輪では、男女を通じてまだメダルを手にしていない。

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