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舟久保遥香が銅メダル!柔道日本の五輪通算メダルは100個の大台到達!「なんとしてもメダルを持って帰りたかった」 パリ五輪

スポーツ報知 2024年7月30日 0時43分

◆パリ五輪 第4日 ▽柔道(29日、シャンドマルス・アリーナ)

 【パリ(29日)=林直史】女子57キロで初出場の舟久保遥香(25)=三井住友海上=が銅メダルを獲得した。準々決勝で世界ランキング5位のサラレオニー・シシケ(フランス)に開始8秒で一本負けを喫したが、敗者復活戦を勝ち上がり、ラファエル・シウバ(ブラジル)との3位決定戦を制した。日本柔道の五輪通算メダル数は100個の大台に達した。舟久保は勝利後「なんとしてもメダルを持って帰りたかった」と涙を見せた。

 一進一退の攻防は本戦の4分間では決着がつかず、延長戦に突入。舟久保は徐々に主導権を握った。5分6秒、ついに相手に、頭から畳に飛び込むように投げをかけるヘッドダイビングの反則が告げられ、長い戦いが終わった。

 舟久保は、意地で銅メダルをつかんだ。2回戦でダリア・ビロディド(ウクライナ)を延長の末に下したが、準々決勝でジュニア時代から何度も対戦してきたライバルのシシケに屈した。わずか8秒、出足払いで倒され一本負け。あっという間の出来事にぼう然とした表情で畳を下りたが、気持ちを切り替えて3位決定戦まで勝ち上がった。

 独自の武器を磨き、初五輪の舞台にたどり着いた。得意技は「舟久保固め」。うつぶせになっている相手を引っ繰り返して抑え込む。富士学苑中3年時。2003年世界選手権男子90キロ級代表の矢崎雄大監督(44)に教わった腹包みを研究し、反復した。変形させたオリジナル技を編み出すと「自分のポジションに入ったら持っていける感覚が身に付いた」。1つの技が寝技を主体とした戦い方への自信に変わり、その後の飛躍につながった。

 全中で山梨県勢として初優勝を飾った13年。20年夏季五輪の開催地が東京に決まった。高校2年時に全日本ジュニア選手権で現カナダ代表の出口クリスタ(28)を破り、世界ジュニア選手権も優勝。東京五輪のヒロイン候補と注目されたが、目指した舞台には芳田司(28)らとの争いに敗れ、届かなかった。

 浮上のきっかけをつかんだのは、コロナ禍で試合がなかった日々だった。これまであまり取り組まなかった担ぎ技を反復。体の使い方を覚え、技の幅が広がった。22年から世界選手権で2大会連続の銀メダルを獲得。世界の層の厚い階級で、五輪でも表彰台に立った。

 ◇舟久保 遥香(ふなくぼ・はるか)1998年10月10日、山梨・富士吉田市生まれ。三井住友海上所属。57キロ級。段位は3段。組手は右組み。5歳で柔道を始め、大明見スポーツ少年団を経て富士学苑中に入学。中3時に全国中学校大会で山梨県勢初V。2015、17年世界ジュニア優勝。富士学苑髙を卒業後17年4月、三井住友海上入社。得意技は「舟久保固め」との別名を持つ寝技と小内刈り。162センチ。O型。家族は両親と兄。

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