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スケボー連覇の堀米雄斗、「結構きついんだよね」試合前に友人の前で見せた不安そうな顔…パリ五輪

スポーツ報知 2024年7月30日 8時0分

◆パリ五輪 第4日 ▽スケートボード男子ストリート決勝(29日、コンコルド広場)

 2021年東京五輪覇者の堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)が金メダルに輝き、大会2連覇を達成した。堀米を小学生時代から知るのが、幼なじみで2歳年下の清野玲良(きよの・れお)さん(23)だ。堀米が米国に拠点を移す高校卒業まで「ほぼ毎日(一緒にいた)」というほどの仲である清野さんが、素顔や強さを語った。(取材、構成=手島 莉子)

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 深夜1時過ぎ、日本が沸いた。清野さんはパリ五輪で活躍する堀米の姿を友人らと一緒にテレビ観戦。「いやーやばすぎました。やばかったです。はしゃぎました。マンションだったんですけど、隣の家に響いていたかもしれない。申し訳ない」。大逆転の金メダルに、興奮冷めやらぬ様子で「最後の最後で、いつも出してくる勝負強さが出たなって思います。ドラマを作ってくれるなって思いました」とかみしめるように話した。

 清野さんがスケボーを始めた7歳の時、初めて行った足立区のスケートパークに堀米がいた。年が近くすぐに仲良くなった2人は、堀米が高校を卒業し米国に拠点を移すまで、「ほぼ毎日一緒に滑っていました」と話す。当時から堀米は、教わった技を自分のものにするスピードが段違い。「俺もうこれできたよ!」と都度、清野さんに伝えていたという。

 友人の前でだけ見せる顔がある。パリ五輪出場への予選シリーズは日本勢5番手で迎えた最終戦で優勝し、大逆転で代表に滑り込んだ。試合前は珍しく不安な様子を見せていたという。「『結構きついんだよね』と言っていました。雄斗は常に上を見ていて『俺ならいける』みたいな感じがいつもあります。だから、珍しいなと思いました」。清野さんは「大丈夫、絶対にいける」と声をかけ送り出した。

 中学時代はよく、どちらが先に技を決められるかジュースを賭けて勝負した。「雄斗は賭けた瞬間、速攻乗る(成功する)んです。メンタルがめちゃくちゃ強すぎる」。だから大逆転での五輪連覇を、清野さんは「感動させるために、今までわざと負けていたんじゃないか」とすら見えるのだという。

 21年東京五輪で優勝し、知名度が上がったが、「雄斗は変わらない。テレビの前とかでは結構クールですが、友達の前だとはっちゃけます」と明かす。「優しいですね。自分のことをしっかりやりつつ、周りの気持ちも考える。細かい所もすごいなって思います」とうなずいた。

 東京五輪後は仲良しメンバーで行きつけにしている焼き肉屋で祝賀会したという。パリ五輪でも「雄斗は『金メダルを持って帰ってくる』って言っていました。みんなでお祝いかなって思います」。心から祝福してくれる大切な友人の存在が、一層堀米を強くしていく。

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