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河村勇輝、どこが反則? 八村塁、なんで退場? 物議の「不可解判定」を佐々木クリス氏が解説…パリ五輪

スポーツ報知 2024年7月31日 23時1分

◆パリ五輪 第5日 ▽バスケットボール男子1次リーグB組 日本90―94フランス(30日、リール=ピエール・モロワ競技場)

 B組1次リーグ第2戦で、日本はフランスに歴史的金星を逃す90―94で惜敗した。残り10秒での河村の反則と、第4クオーター(Q)序盤での八村のアンスポーツマンライクファウル(悪質なファウル)での退場に審判の判定が「大誤審」「疑惑」など、SNSを中心に物議を醸した。元プロバスケットボール選手で、アナリストの佐々木クリス氏が不可解判定を解説した。

 この試合を私が解説していたら最後のところで「この場面で絶対やってはいけないことは、3Pシュートを放つ選手に対して、ファウルをすることですね」と言ったと思う。これが唯一、フランスが追いつける方法で、そういった状況にしてはいけないということだった。

 審判も人間だし、どんな判定をするかも分からないが、自分たちの守り方は、自分たちでコントロールできる。だから、河村選手が接触したか否か、あれが誤審だったか否かが、重要なのではなくて、自分たちでコントロールできないものに、自分たちの運命を委ねてしまったことが、相手の4得点につながったと思う。

 河村選手も試合後、微妙なコンテスト、つまりシュートの邪魔をしてしまった自分が悪いと思っている、とコメントしている。たとえ、3Pシュートを決められることになったとしても、守るのをやめるくらいの方がよかった。そのあと、残り10秒で日本ボールになるわけだから。ファウルをもらってフリースロー2本決めることもできただろうし、相手の守りをかいくぐって、もう一回得点できたかもしれない。そういう意味で審判に笛を吹く余地を与えてしまったことが悔やまれる。

 第4Qの八村選手のプレーは、国際連盟(FIBA)の定めるアンスポーツマンライクファウルに、抵触していると思う。私は英語実況で放送を見ていたが、審判が話している声も拾っていた。それによると、八村選手はボールに対してアクションを起こしていなくて、相手の右ひじの関節のところに手がかかっている。その衝撃も大きいし、そのあと、引き倒していた―。相手はダンクシュートに行くところで、そのプレーを八村選手は不当に奪った。バスケットというスポーツの哲学に反しているという判断だ。だから私は、日本が審判の笛に泣いたとは思っていない。

 この2つのプレーに関心が寄せられているが、日本は素晴らしいプレーを展開していたことは間違いない。1試合で3Pシュートを15本決めることを目標にすべきと私は言ってきたが、フランス戦は16本を決めた。216センチと224センチのディフェンスを誇るチームから90点を奪った。これだけでも、偉業だと思う。次のブラジル戦もめちゃくちゃ期待が持てる。ただ、フランス戦のような負け方は、体力的にも精神的にもきついものがある。その中で、もう一度、ヘッドコーチ、富樫選手や渡辺雄選手らリーダーの下、いかに団結して戦うかが重要だ。(元プロバスケットボール選手、アナリスト・佐々木クリス)

 ◆アンスポーツマンライクファウル 過度の激しい接触。不必要な接触。故意に行われる危険なプレーを指し、相手にけがを負わせる危険性があるなどの悪質なファウル。レフェリーが判断する。FIBA(国際連盟)ルールでは1試合で2回取られると退場。

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