Infoseek 楽天

BMX中村輪夢、〝世界初〟の大技成功も5位 東京五輪と同順位でメダル届かず…パリ五輪

スポーツ報知 2024年7月31日 22時15分

◆パリ五輪 第6日 ▽自転車のBMXフリースタイル・男子パーク決勝(31日、コンコルド広場)

 【パリ(31日)=手島 莉子】 男子決勝が行われ、日本勢唯一の出場で、2022年の世界選手権王者・中村輪夢(りむ、ウイングアーク1st)は90・89点で5位だった。〝世界初〟とされる大技を決めるなど、2本の試技のうち一時は暫定3位に付けたが、後に続く選手に抜かれた。五輪種目に初採用された21年東京大会では、自国開催の重圧を一身に背負い、初代王者を狙ったが表彰台に届かずに5位だった。「すごい悔しかった。絶対にリベンジしたい」と決意してきたが、同じ順位でメダルを逃した。

 BMX選手の父・辰司さんの影響で3歳の時に競技を始めた。5歳でローカルの大会に初出場。「オリジナルのトリック」にこだわりを持ち、パリ大会に向けても、新技に約2年前から取り組み始めた。20年に完成した地元の専用パーク「Wingpark1st」で練習を重ね、約1か月前にようやく完成し、勝負の決勝へ備えてきた。

 東京大会後には所属先のバックアップの下、国際大会の傾向に合わせてジャンプ台の高さを1・8メートルから2メートルに高くするなど、改修した。今回のコースはジャンプ台の幅が小さく、「高さが出しにくい」と難しい形状だったが、高さに対しては拠点でしっかり感覚を調整してきた。また、専用パークの敷地内にはサウナも常設。練習、トレーニング、リカバリーまで全て行える環境で、パリでの頂点を目指し、最善を尽くしてきたが、力を尽くせなかった。

 「輪夢」の名は、車輪の部品「リム」が名前の音の由来。父は漢字について「生まれた次の日(02年2月23日)にテレビをつけるとソルトレークシティー冬季五輪がやっていて『五輪の夢』と」と説明する。自身初体験の有観客開催の五輪では、30日の予選から「リム」コールが鳴り響いた。3年間の努力は必ず、いつか夢につながる。

 ◆自転車BMXフリースタイル・パーク BMXフリースタイルの1種目で、制限時間内(1分の走行を2回)に「バンク」と呼ばれる斜面やスノーボードのハーフパイプに似た「ランプ」などが設置されたパークでジャンプや回転などの技の難易度や独自性を競い、100点満点で順位を決める。日本勢の女子は出場権を取れず、1枠の男子は中村が出場。

 ◆中村 輪夢(なかむら・りむ)2002年2月9日、京都市生まれ。22歳。BMXショップも経営している父・辰司さんの影響で3歳の時に競技を始め、5歳で大会に初出場。中学生でプロ転向し、3年時の16年に強豪が集う大会「Gショックタフネス」で優勝。19年度W杯総合優勝。同年UCI年間ランキングで日本男子初の1位。21年東京五輪では5位入賞。170センチ、64キロ。家族は両親と姉。

この記事の関連ニュース