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【中日】松木平優太、涙のプロ初勝利!記念球は「育ててくれた」おばあちゃんに

スポーツ報知 2024年8月1日 5時0分

◆JERAセ・リーグ 中日1-0ヤクルト(31日・バンテリンドーム)

 思いがあふれた。中日の育成出身・松木平が6回4安打無失点でプロ初勝利。最速146キロ直球にカットボールがさえ、村上から2奪三振。再三ピンチを背負うも、強気の投球でゼロを並べ、摑んだ白星。「小さい頃から育ててくれたおばあちゃんに感謝を伝えたい」と涙で声を詰まらせた。

 インドネシア人の父と日本人の母の間に生まれ、2歳の時に両親が離婚。小学生の時に母が他界し、1つ上の姉・ゆにさんと自身を育ててくれた祖母・栄子さん(85)は現在、千葉の施設で暮らしている。

 7月中旬、祖母の元へ足を運んだ。少し緊張しながら口を開いた。「頑張って稼いで、家を建てて、おばあちゃんと一緒に暮らしたいと思ってる」。育成時代は、口に出せなかったプロ入り当初からの夢を初めて伝えた。スタートラインに立った覚悟の表れだった。祖母は「そういうこと言えるようになったんか。大人になったなあ」と目を潤ませて笑ってくれた。

 この日、祖母の現地観戦はかなわなかったが、姉は観客席から涙を浮かべ、お立ち台の弟に拍手を送った。右腕は「おばあちゃんの顔が思い浮かぶと気合が入る。まず1つ、恩返しができた」。記念球を渡す人は決まっている。無限の可能性を秘める21歳の孝行は、始まったばかりだ。(森下 知玲)

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