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橋本大輝、まさかのメダルなし 個人総合史上5人目の連覇はならず「新たな歴史を見れて僕は幸せ」再びあん馬で落下…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月1日 3時5分

◆パリ五輪 第6日 ▽体操男子 個人総合決勝(31日、ベルシー・アリーナ)

 21年東京五輪王者の橋本大輝(セントラルスポーツ)は6種目を終えて4位以下が確定した。2016年リオ五輪の内村航平以来、史上5人目の2連覇はならなかった。団体と同じく、序盤のあん馬で痛恨の落下。肩のマッサージを受ける様子も見られ、耐え抜く演技となった。

 最終順位は6位となり、インタビューでは「新たな歴史を見れて僕は幸せでした」と語り、徐々に涙声となり「みなさんの期待にこたえられず…。団体の金メダルでおなかいっぱいなので」と振り返った。

 2024年1月、パリ五輪イヤーを迎えた最初の公開練習で、橋本は「3冠したい」と団体、個人総合、種目別・鉄棒での金を宣言した。冬場は出場試合数を減らし、練習に専念。4月の全日本では本番を見据えた納得の内容で4連覇を達成。順風満帆にパリへと突き進んでいた。

 だが、5月に右手中指を負傷。「金メダルをどう取るのかも考えられてなかった」。公の場では気丈だったが、不安で押しつぶされそうだった。そして、7月には左肩にも違和感。不安要素は重なっていった。

 迎えた本番も予選から橋本らしさは出し切れなかった。21年東京五輪を制した鉄棒ではまさかの予選落ち。他の演技も耐え抜く内容が続き、もがいた。種目別では一つも決勝に進めなかった。「いい演技はなかった。立て直せるかと言われたら、ちょっと難しい」。現実に落胆した。

 28日の団体決勝でも橋本は苦しんだ。中国との一騎打ちで、得点を伸ばしたかったあん馬でまさかの落下。「諦めんな!」。仲間の一声にもう一度奮起。最後の鉄棒では3・267点差と“絶望的”だったが、日本の諦めない気持ちが、中国にプレッシャーを懸けた。ライバルに大きなミス。最終演技者の橋本が決めれば金確実の状況で、エースは本領発揮した。着地までまとめ、2大会ぶりの団体制覇。「マジでうれしいっすね」とパリに来てようやく、笑顔が見えた。

 団体での勢いそのまま個人総合へ。ともに切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間の思いも背負い、6種目を演じ切った橋本。史上最年少の19歳で制した東京五輪から3年間は、「正直、しんどかった」というように、腰の疲労骨折など度重なるけがに見舞われ、過去の自分、そしてキング・内村さんとの比較にも葛藤した。苦悩を乗り越え、五輪に戻って来た日本のエース。パリの悔しさを糧に、4年後、王座奪還を目指す。

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