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アテネ五輪金の園田教子氏、新添左季の敗因探る 「前重心で技の威力減った」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月1日 16時12分

◆パリ五輪 第6日 ▽柔道(31日、シャンドマルス・アリーナ)

 柔道女子70キロ級の新添左季(自衛隊)は準々決勝で東京五輪銅メダリストのサネ・ファンダイク(オランダ)と対戦。小外刈りで技ありを奪われ敗れた。銅メダル獲得を目指して臨んだ敗者復活戦でも、スペインのアイ・ツノダ・ロウスタントと対戦。相手の積極的な攻めで後手に回り、指導3本を受け敗退した。

 2004年アテネ五輪金メダリストの園田教子・警視庁男子監督が新添の敗因を分析するとともに、再起へのエールを送った。

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 新添には少し硬さがあった。相手としっかり組んで、足技を使いながら大技にいくのが彼女の良さ。良い姿勢から繰り出すからこそ、内股にも威力があるが、この日は上半身が伸びず、重心が前にきていた。ちょっとした重心のズレ…例えばセンチ単位、ミリ単位でも、展開は変わってくる。前かがみのままいくと、足技の崩しは効かず、技の威力は軽減する。スピードもなかった。

 準々決勝でもファンダイクに右手で背中を持たれて前かがみになり、前重心だった。あれでは技が小さくなってしまい、思い切った攻めに行けない。足技が使えると相手の意識を分散させることができるし、次の大技にもっていくことがいける。技ありを奪われた場面は、相手が内股をフェイントにして小外刈りを出したが、トップ選手同士の戦いは、お互いが一瞬の隙を見つけられるかどうかがカギとなる。場外際だったことも新添には不運だった。

 新添は昨年の世界チャンピオンだし、もっとアグレッシブな柔道ができる選手。再び立ち上がって、70キロ級を引っ張っていく存在であってほしい。そのためにも、五輪の後はゆっくり休んで、現実と向き合い、また強い新添でいてほしいと願っている。(2004年アテネ五輪女子78キロ級金メダル、警視庁男子監督)

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