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Z世代が“日替わりニューヒロイン”浜野まいか「本当に楽しみ」次戦12年勝ちなしの米国戦…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月1日 23時10分

◆パリ五輪 第6日 ▽サッカー女子1次リーグ第3戦 日本3―1ナイジェリア(31日、ナント・ボジョワール競技場)

 女子日本代表「なでしこジャパン」は、31日の1次リーグ(L)最終戦でナイジェリアに3―1で勝利し、C組2位で1次L突破。2大会連続で男女ともに8強進出を決めた。前半22分にMF浜野まいか(20)=チェルシー=が先制点。初戦のMF藤野あおば(20)=日テレ東京V=、第2戦のMF谷川萌々子(19)=ローゼンゴード=に続き、Z世代が“日替わりニューヒロイン”となり、8強進出に大きく貢献した。3日の準々決勝では、通算1勝8分け30敗の“天敵”米国(B組1位)と激突する。

 なでしこジャパンの若き才能が、この日も輝いた。0―0の前半22分。20歳の浜野がゴール前でMF植木からの折り返しを受け、右足でゴールに押し込んだ。「信じて走ったら出してくれて。夢の舞台でゴールできるのは本当にうれしい」。まばゆい笑顔がはじけた。

 Z世代の“日替わりニューヒロイン”がまた一人、誕生した。初戦のスペイン戦で20歳のMF藤野が、日本女子“五輪最年少弾”となる直接FKを決めると、3日後の第2戦のブラジル戦では五輪デビュー戦の19歳、MF谷川が約30メートルの衝撃ロングシュートで決勝点。五輪で男女通じて日本サッカー史上初となる10代でのゴールを決めていた。

 同世代2人の活躍に浜野は「刺激にならなかったといったらうそになる。自分も決めないと、とは思っていました」。試合前には古傷の右足を痛めて欠場した1学年上の藤野に「ゴール!」とエールを送られていた中、五輪初得点を1次L突破を懸けた大事な試合で決めてみせた。

 五輪の舞台に立ったからこそ、憧れの存在への思いも強くなる。浜野が尊敬する一人に、フィギュアスケート男子で14年ソチ、18年平昌五輪で連覇を果たしたプロフィギュアスケーターの羽生結弦さん(29)の名前を挙げる。「陸上だったら速い人が強いけど、羽生選手は審判によって違うのに、そういうところで一人で戦っているのがすごく尊敬する。会ってみたいな、話を聞いてみたいなっていうのがあります」。いつかかなえたい夢を描きながら、ピッチで躍動する。

 この日は最高気温32度の暑さの中「気合でした」と得点後も前線からのプレスや積極的な裏への抜け出しなど90分間フルで戦い抜いた。準々決勝の難敵・米国戦へ「本当に今、考えるだけで鳥肌が立つというか本当に楽しみ。絶対に勝ちたい」と頼もしい20歳。銀メダルに輝いたロンドン以来の4強へ、若い力がチームの起爆剤となる。(後藤 亮太)

 【ちょっといい話】

 大舞台で堂々と結果を残した浜野だが、ピッチから離れるとどこか不思議なオーラを漂わせる。その独特な世界観が、この日はピッチ上でも垣間見えた。得点後のこと。アシストしてくれた植木と喜び合っている時に突然、両腕で丸を作った。「何、何、何」と困惑する先輩に「ケーキ!」と、にっこり。「(植木)理子さんを見た瞬間に誕生日だと思って」と、30日が25歳の誕生日の植木を“祝福”。ろうそくを吹き消すしぐさを見せた植木も「何の打ち合わせもしていなくて。そういうところもさすが」と笑顔で振り返ったほどの、即興パフォーマンスだった。(後藤 亮太)

 ◆浜野 まいか(はまの・まいか) 

 ▼生まれ 2004年5月9日、大阪・高石市生まれ。20歳

 ▼サッカー歴 9歳でサッカーを始め、C大阪堺の下部組織からトップチームに昇格し、21年にINAC神戸移籍。23年にチェルシーへ完全移籍。スウェーデン・ハンマルビーへの期限付き移籍を経て、同年9月にチェルシーへ復帰

 ▼代表通算成績 14試合4得点

 ▼個人タイトル 22年U―20W杯で大会通算4得点でチームの準優勝に貢献し、MVPを受賞

 ▼座右の銘 「残りの人生、その初日が今日」

 ▼趣味 カフェ巡り

 ▼サイズ 165センチ、49キロ

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