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強豪アルゼンチンを撃破!男子バレーに勝利を引き寄せた西田有志の「柔と剛」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月1日 23時0分

◆パリ五輪 バレーボール男子1次リーグ 日本3―1アルゼンチン(31日・パリ南アリーナ)

 31日の1次リーグ(L)C組で日本は、西田有志(24)がチーム最多21得点を挙げて21年東京五輪銅のアルゼンチンを3―1で破り、今大会初勝利を飾った。1勝1敗でC組2位に浮上し、2大会連続の8強入りに王手をかけた。1972年ミュンヘン大会以来、52年ぶりの金メダルへ、第3戦は日本時間3日午前4時に2戦全勝の強敵・米国に挑む。サービスエース5本を決めるなど好調の西田が1次L突破の鍵を握る。

 日本がようやく勝利をつかんだ。2―1の第4セット(S)、マッチポイントから途中出場の宮浦がライトから強打をたたき込んだ。鳴りやまない「ニッポン」コール。互いに抱き合い、五輪開幕6日目にして初勝利だ。両チーム最多21得点と気を吐いた西田は「この1勝を取ることに全員が必死だった。緊張感のある試合だったが、フォーカスしてやってこられたのが結果につながった」と満足げに笑った。

 好調男が頼もしい。2―3で敗れた27日のドイツとの初戦、この日のアルゼンチン戦も20点以上をマーク。23―24年季はVリーグでプレーし、今季は4月の代表合宿から参加し、パリへの入念な準備が奏功している。五輪開幕から軸に据える石川と高橋藍へのマークが厳しく、思うように波に乗れない。そこで西田のライトからの攻撃、磨いてきたサーブが突破口となった。第1Sの10―9。守備の間を狙いすました精密なサーブで得点すれば、今度は力を加えた剛速球で相手のリズムを崩した。チームの勢いを取り戻す2連続エースだった。

 自身のパフォーマンスを安定させるため、体重を徹底管理する。好物のパスタは極力控えて、試合前のみ炭水化物を増やす取り組みだ。パリ入り後も選手村に日本食が用意されており「困っていることはない。やることは変わらない」とうなずく。女子代表の妻・古賀紗理那(28)のストイックさにも刺激を受け、「朝5時には起きて、水のシャワー浴びている」と「朝活」を続けている。

 1次L突破が決まるC組2位以上に入るには、1勝1敗で臨む3日未明の米国戦にすべてが懸かる。ここまで1次Lで2勝し、五輪を過去3度制覇した強敵。高さのある攻撃と組織的な守備が立ちはだかる。守備の連係が強固で、高いブロックをすり抜けても、奥にはレシーバーが待ち構える。今大会で対戦したドイツ、アルゼンチン以上に攻撃の精度は求められる。好調を維持する西田がキーマンになる。「五輪で1勝を取れたことで力をより発揮しやすくなる。いいイメージで臨む」。日本の先頭に立ち、真っ向勝負を挑む。(宮下 京香)

 ◆パリ五輪の1次L突破条件 A~Cの3組に分かれて総当たり戦を行い、各組上位2チームは突破。さらに各組3位グループのうち勝敗や勝ち点、セット数などで競う総合成績での上位2チームを加えた計8チームが、5日から始まる決勝トーナメント(T)に進む。進出した各組1、2、3位グループ内で総合成績により、決勝T初戦の準々決勝の組み合わせが決定。1位突破組の成績最上位は、3位突破した2位チームと対戦。

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