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「すごい、鉄人だ」33歳・鈴木聡美の年齢を感じさせない泳ぎは“探究心”が源 松田丈志氏はレース後の言葉にも驚き…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月2日 7時35分

◆パリ五輪 第7日 競泳女子200メートル平泳ぎ決勝(31日、ラデファンス・アリーナ)

 2大会ぶりの五輪に挑んだチーム最年長の33歳・鈴木聡美(ミキハウス)は2分22秒54で4位だった。12年ぶりの五輪決勝でメダルまであと一歩だった鈴木の進化を、3大会連続メダリストの松田丈志氏は心技体の充実と解説した。

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 鈴木選手は素晴らしいレースをした。チーム最年長の33歳という年齢を感じさせない泳ぎで、あと一歩でメダルに手が届いた。2012年ロンドン五輪以来12年ぶりの決勝で復活した姿を改めて証明した。

 根底には強じんなフィジカルがある。練習拠点は大学時代と同じ母校の山梨学院大。水中での厳しいトレーニングに加え、陸上でもハードワークをこなすことで有名なチームだ。大学入学から15年間ハードワークのチームに身を置き、若い選手と同じメニューを消化するのだから頭が下がる。

 技術的にはテンポを上げて水をかくピッチ泳法を取り入れたことが大きい。より速くという探究心からのもので、タイム的にも明らかに進化した。精神的な部分では東京五輪の出場を逃したが、昨年7月の世界水泳での成功が大きなプラスになった。地元・福岡で大声援を受け自己ベストを更新し決勝進出。パリまで頑張ろうという気持ちが芽生え、心技体すべての充実がこの結果を生み出した。

 私は32歳で引退したが、その一番の理由は体力的な衰えを感じたからだ。同じ練習をしても20代の頃とは同じ結果が得られず、心、技の部分は平気でも体がついてこなくなった。鈴木選手には正直、集大成のレースだろうと思って見ていたが、レース後の本人の言葉には驚かされた。

 「もう少し狙ってもいいんじゃないか」

 すごい、鉄人だ。(北京、ロンドン、リオ五輪3大会連続メダリスト)

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