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柔道・高山莉加の敗因をアテネ金の園田教子氏が分析「大技の前に崩しが欲しかった」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月2日 18時40分

◆パリ五輪 第7日 ▽柔道(1日、シャンドマルス・アリーナ)

 女子78キロ級は高山莉加(三井住友海上)は準々決勝でアンマリア・ワーグナー(ドイツ)に反則負け。敗者復活戦でフーシェ・ステーンホイス(オランダ)に大腰で一本勝ちしたものの、3位決定戦ではパトリシア・サンパイオ(ポルトガル)に大外返しと左の背負い落としの技あり2つを奪われ、合わせ技で敗れた。2004年アテネ五輪の同階級で金メダルを獲得した園田教子・警視庁男子監督が高山の初五輪を振り返った。

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 高山の柔道は、立ち技から寝技に持ち込むという形が一番だが、立ち技で仕掛けた技が小さくて、次の技につながらなかった。大技をかける前に、足技からの崩しや引き寄せてからの崩しがなく、どれも単発だった。そうなるとリズムも取りづらくなる。3位決定戦でも、豪快に大外刈りにいったが、相手の上半身を崩さずに仕掛ければ、返されてしまうのは当たり前。これも焦りなのか、五輪初出場の硬さからくるものなのか…。寝技にいけるチャンスもあったが、その場面を生かすことはできなかった。

 ただ、準々決勝で負けた後の敗者復活戦はよかったと思う。気持ちが出ていたし、大腰も力強かった。あの柔道ができていれば…。

 どの選手も悔しい思いをしながら、ようやく五輪の舞台にたどりついた。持っている力を、当たり前のように出すのは難しい。勝利への執念を、いかに心と体で表すことができるか。高山はこれまで五輪や世界選手権には出場していないが、直近の試合(24年グランドスラム・タシケント)では優勝している。実力がないと、優勝なんてできない。大事なところで、いかに自分の力を出し切れるか。今回、自分はどのくらい、持っている力が出せたのか、もし出していなかったとしたら、自分と向き合うしかない。このままでは終われないと思う。高山には、また世界の舞台で金メダルを目指してほしい。(04年アテネ五輪女子78キロ級金メダル、警視庁男子監督・園田 教子)

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