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張本智和、激闘惜敗も28年ロス五輪へ光「4年間磨き続ければ、メダルは絶対に見えてくる」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月2日 22時50分

◆パリ五輪 第7日 ▽卓球(1日、パリ南アリーナ)

 1日に行われた男子シングルス準々決勝で世界ランク9位の張本智和(21)=智和企画=が、第2シードで同4位の樊振東(はん・しんとう)=中国=に3―4で敗れた。過去2勝7敗で東京五輪シングルス銀メダルの強敵に対し、真っ向勝負。フルゲームで敗れたが、28年ロス五輪へ光が見える激闘を演じた。

 取材エリアに現れた張本の表情はすがすがしかった。過去に2勝7敗で圧倒されていた強敵に3―4と一歩及ばなかった。「負けた試合の中では満足できる結果だった。メダルが取れなかった以外は悲観的になる要素は少ない」。先頭を走る中国勢相手に果敢に挑み、迫った。会場が揺れるほど響いた“張本コール”を受け、「すごいうれしかった」とはにかんだ。

 第1ゲーム(G)を張本が9連続得点で圧倒すると、会場の雰囲気がガラッと変わった。ラリーを優位に進めて2ゲーム先取。負ければ中国勢全員敗退が決まる樊振東のプレーに「金が取りたいという気持ちが垣間見えた」と相手を見る冷静さもあった。追いつかれた第5ゲームは台上の細かい技術が光って11―4で奪取。ただ、勝利へあと1Gが遠かった。

 追いつかれた最終第7G。7―6から7―8にひっくり返された場面、相手のあまりの落ち着きに「たった1点差ですが果てしなく遠く感じた」という。ここからバック側への下回転の球などに対応できず3連続失点。ベンチでしばらく座り込んだ。

 俊敏に動く体でパリに挑んだ。昨年9月のアジア大会(杭州)は準々決勝で左足をつりメダルに届かなかった。「中学生の頃とかと比べると(体の)キレが悪い気がする」。同大会でWTTチャンピオンズ・フランクフルト大会で敗れた台湾のエース・林儒が選手村を走っている姿を目にし、フィジカル強化を第一課題にした。「体を絞る」。走ることは嫌いだったが、日々の積み重ねで77キロから現在は75キロ。求める体で五輪に入った。

 4回戦でスロベニアの格下選手に敗れた東京五輪から3年。「間違いなく3年前より良いプレーだった。4年間磨き続ければもっと良くなる。メダルは絶対に見えてくる」。5日に始まる団体で雪辱を狙い、28年ロサンゼルス五輪へつなげる。熱戦を終えた張本の目は再びギラギラしていた。(手島 莉子)

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