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シダマツ、性格は真逆でも相性最高ペア!銅メダルへ「気持ちのぶつかり合いで負けない」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月2日 22時12分

◆パリ五輪 第8日 ▽バドミントン(2日、ポルトドラシャペル・アリーナ)

 女子ダブルス準決勝が2日に行われ、世界ランキング4位で第4シードの志田千陽(27)、松山奈未(26)組=再春館製薬所=は第3シードの劉聖書(りゅう・せいしょ)、譚寧(たん・ねい)組=中国=に0―2で敗れた。3日の3位決定戦に回り、同12位のムラリタラン・ティナー、ペアルイ・タン組(マレーシア)と戦う。流れを引き寄せられず、ゲームをまたいで8連続失点するなど最後は相手のパワーに屈した。

 力尽きた。最大5点差がついた第2ゲーム。1点差まで迫る執念を見せたが、真ん中へと打ち込まれたスマッシュに、志田が目いっぱい伸ばした右手が届かない。ラケットを手放し、床に突っ伏した。松山もその場にしゃがみ込み、涙があふれた。「ああ…。金メダルが取れなくなったんだ」とこぼし、志田も「勝負だったのに勝ちきれなかった」と目を赤くした。

 序盤は気迫のぶつかり合い。互いに早い攻撃で打ち合った。16―17、松山の狙いすましたドロップショットで、シャトルはネット上ではねて止まり、むなしく日本側のコートに落ちた。松山は「ネットは味方してくれない」と切り替えたが、中国の勢いが増し、ゲームをまたいで8連続失点。2人は「大丈夫」「まだいける」と掛け合い、手を触れた。そこから志田のスマッシュなどで最大5点差から19―20まで迫ったが、最後は志田は「全体的に相手が上だった」と脱帽した。

 志田が高1、松山が中3で初めてペアを組んだ。おしゃべりな志田が人見知りの松山に声をかけて結成。17年には逆に松山が志田を追いかけ、同じチームに入った。2人は遠征中も同部屋で過ごす。志田が乃木坂46の新曲が発売されれば2人部屋で「エンリピ(無限再生)」。松山は「またか…」と思うが「気づいたら私も踊りを覚えてしまう」と乗せられる。性格は対照的だが、相性は抜群だ。

 そして、強くなりたい思いは同じ。東京五輪後、初めて本格参戦した五輪レース。序盤は苦しかった。昨夏、志田が松山やコーチを集め「思うことがあるなら全部言おう」と約2時間半、意見をぶつけると、口数の少ない松山が殻を破り試合中の声掛けが増えた。この日も劣勢から鼓舞し合った。

 金メダルの夢は破れたが、まだ日本勢の同種目3組目のメダルのチャンスはある。「欲しかったメダル。今日のリベンジだと思ってやる」と志田が言えば、松山も「気持ちのぶつかり合いで負けない」と涙を拭いた。うれしさも悔しさも共有してきた2人。メダルマッチに全てをぶつける。(宮下 京香)

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