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横浜泉中央ボーイズ、7月に急逝の宇野監督に白星届けた…エイジェックカップ選手権大会

スポーツ報知 2024年8月3日 6時0分

◆エイジェックカップ第55回日本少年野球選手権大会 ▽1回戦 横浜泉中央ボーイズ(神奈川)10―2菊川ボーイズ(静岡)=5回コールド=(8月2日・久宝寺緑地硬式野球場)

 横浜泉中央ボーイズが、7月1日未明に心不全のため亡くなった監督の宇野和之さん(享年69)に白星を送った。

 開会式では遺影を抱え行進。ベンチには遺影やユニホームが飾られる中、喪章を付けた選手が躍動した。

 初回に先頭打者・伊藤佑豪(3年)が四球を選び、すかさず二盗。1死一、三塁で4番・小田切豪(3年)の二ゴロで生還。ノーヒットで先制すると、3回には相手エラーに乗じて安食琥太郎(3年)のタイムリーなど打者10人で5点を加えると、4回には小田切、久保道隆(3年)が連続三塁打。その後も単打3本を浴びせ5連打で圧倒。

 投げては先発・石野稜真(3年)が3回を1安打1失点と好投。藤井奏多(3年)、大野遼(3年)の継投で菊川打線を封じた。

 喜びの翌日の“訃報”だった。6月29日にジャイアンツカップ出場を決め、翌30日に選手権大会出場を決めた。歓喜のダブル出場の翌朝、宇野さんが急逝した。

 渡辺大惺主将(3年)は「(訃報を聞いて)ウソだろうと…。心の整理がつかなかった」と当時の心境を明かした。家族葬だったが、3年生部員は遺族の配慮で参列した。「監督の気持ちも背負って、優勝を目指したい」と決意を語った。

 リードオフマンの伊藤は「監督は『自分で考える』自主性をよく言っていた。今日は自分らしいプレーが出来た」と胸を張った。先発の石野は「抽選が決まって(初戦の)先発を言われて、緊張していたけれど、始まったら楽しく自分のピッチングが出来た」と笑顔。時折、宇野さんの遺影を見て、ベンチでは近くに座り力をもらった。

 コーチから昇格した帯川祐二・新監督(52)は「(宇野)監督が突然お亡くなりになって、(選手には)『監督への思いをそのままプレーにぶつけよう』と言いました。今日は石野が苦しい中、良く投げてくれた。この大会のカギを握っていたが、想像以上の活躍でした。(宇野監督は)人間の器が大きい人でした。どこかで見ててくれているんで…」と空を見上げた。

 天国の恩師へ。みんなの心の中にある、宇野さんの笑顔を思い起こし、横浜泉中央ナインはこれからも白星を届けるつもりだ。

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