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準決勝敗退の早田ひな、左手首を痛めていた「腕全体に違和感が出始めた」準々決勝で負傷したことを明かし痛み止めを服用…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月2日 21時36分

◆パリ五輪 第8日 ▽卓球(2日、パリ南アリーナ)

 女子シングルス準決勝が行われ、世界ランキング5位で第4シードの早田ひな(日本生命)が同1位で第1シードの孫穎莎(そん・えいさ)=中国=に0―4で敗れた。通算16連敗。またも世界女王の壁に跳ね返された。21年東京大会銅の伊藤美誠(スターツ)に続くシングルスのメダル獲得へ、3日の3位決定戦で申裕斌(韓国)と対戦する。

 石田大輔コーチによると、準々決勝の北朝鮮戦選手との長いラリーで左手首を痛めていたという。黒のテーピングを施し、痛み止めも服用するなど懸命の治療を行ったが、勝利には届かなかった。

 痛めた箇所は左腕全体で、左手にテーピングをして試合に臨んだ。「できなくはないけど、結局、昨日、試合終わってからの時間がなさすぎた。100%わかっているわけではないので、それをこう恐る恐る、どれだけできるか」と明かし、前日1日の準々決勝から「腕全体に違和感が出始めたかなっていう感じはあった」という。その上で「機械あてたりとか、(痛み止めの)薬飲んだりとか。薬飲んでどれだけまたできるかとか。薬1個試すにも2、3時間かかるわけだから、この半日じゃちょっとどこまで調整できるかっていうのは、ちょっと正直難しかった」と回復までの時間が足りなかったとした。

 試合後は涙目でインタビューに応じた。「自分のプレーを100%発揮できなかったっていうところが、今まで関わってくださった皆さん、そしてここまで強くしてくださった皆さんに申し訳ないなっていう気持ちです。(棄権は)ある程度は頭にもちろんありました。でもやっぱりこの舞台をまた4年後経験できるかというと、そうは限らない。(3位決定戦は)今日しっかり休んで、明日どれだけのプレーができるかわかんないですけど、自分が後悔しないように頑張りたいです」と語った。

 今大会は張本智和(智和企画)との混合ダブルスで北朝鮮ペアに1回戦でまさかの敗戦も、女子シングルスでは順調に勝ち進んだ。迎えたピョン・ソンギョン(北朝鮮)との準々決勝では接戦となったが、4―3勝利し、初五輪で4強入りを決めた。その直後には「ベスト4はすごくうれしいことですけど、ここを目指して頑張ってきたわけではない。明日(2日の準決勝)勝つために3年間やってきた。本当に緻密な、0・何ミリのコントロールがこの大舞台でできるかどうか。殻を破れるように、この壁を越えられるように頑張りたい」と孫との決戦に向け闘志を高ぶらせていたが、白星には届かなかった。

 早田は今大会の開幕前には「一つ一つを乗り越えて後悔のないように頑張りたい」と意気込んでいた。日程やメンタル面も含め五輪を戦い抜くイメージを持ち、過ごしてきたこの3年。シングルスでは頂点の座には届かなかったが、まだメダル獲得のチャンスは残されている。3位決定戦で勝利し、東京五輪での親友、伊藤に続く銅メダル獲得を目指す。

 ◆早田 ひな(はやた・ひな)2000年7月7日、北九州市生まれ。24歳。日本生命所属。福岡・希望が丘高卒。4歳から卓球を始め、14年のワールドツアー・チリOPで当時史上最年少の決勝進出。16年世界ジュニア女子団体金メダル。世界選手権は女子ダブルスで17年から3大会連続メダル、混合ダブルスは21年銀メダル。21年アジア選手権3冠。23年世界選手権(南アフリカ・ダーバン)で、女子シングルス銅メダル。左利き。167センチ。

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