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日本、スペインに0-3 準々決勝で敗退 元日本代表MF北澤豪氏「細谷はプレーでは完全に勝っていた」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月3日 6時0分

◆パリ五輪 第8日 ▽サッカー男子・準々決勝 日本0―3スペイン(2日、リヨン競技場)

 サッカー男子日本代表はスペイン代表に0―3で敗れた。1点リードされた前半40分、FW細谷真大がゴールネットを揺らすもVAR判定によって得点は認められなかった。元日本代表MF北澤豪氏(55)は細谷の“幻のゴール”について「プレーでは完全に勝っていた。VARが導入される前では、あり得ないことが起きた」と評した。パリ五輪の戦いを終えた若い選手たちに対しては「五輪はゴールではない。パリ五輪の悔しさをA代表で活躍するための糧としてほしい」とエールを送った。A代表候補としてはGK小久保玲央ブライアン、DF高井幸大、MF藤田譲瑠チマ、FW細谷真大らの名前を挙げた。

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 スコアだけ見れば、0―3だが、日本は勝つチャンスもあった。

 0―1の場面でFW細谷のプレーがオフサイドと判定されたことは驚いた。スペインのDFを背負って半転してシュートを決めた。プレーでは完全に勝っており、スペインのDFも完全にやられたと思ったことだろう。VARがなければオフサイドにならない。VARが導入される前では、あり得ないことが起きた。今後もあり得るということだ。FWにとっては大変な時代になった。

 スペインは、試合の進め方がうまい。前後半の開始直後や、ここ一番という場面にギアを上げて、試合の流れをつかんだ。日本ペースになった時はファウルで時間を止めた。

 日本の敗因を厳しく指摘すれば2失点目だ。スペインのCKで、ペナルティーエリア外の中央で構えていたフェルミン・ロペスをフリーにさせてしまった。フェルミン・ロペスのシュートは見事だったが、先制点を決めて勢いに乗っている選手でもあるので、もっと警戒すべきだった。

 スペインは、1試合だけではなく大会を通じての戦い方もうまい。1次リーグの第3戦は結果よりも主力選手を休ませることを最優先させた。エジプトに1―2で敗れたことでC組2位になったが、それも想定内だったはずだ。結果的に準決勝で優勝候補筆頭で開催国のフランスと当たることを避けた。1次リーグ3試合と決勝トーナメント3試合の計6試合を見据えた上で戦っている。そのマネジメントや総合力は日本を上回っていた。

 日本は今大会でオーバーエージ(OA)枠を使わなかった。経験豊富な選手がいることはメリットがあるが、OA枠を使わなかったことで多くの若手選手が五輪で成長できた。それは将来、プラスにつながる。いや、プラスにつなげなければいけない。

 五輪はタイトルを争う大会であると同時にA代表へのステップの場でもある。決してゴールではない。五輪代表選手の突き上げがA代表の強化に直結する。

 A代表の森保一監督は、口を出すことも、顔を出すこともなかったが、U―23日本代表の戦いぶりを見守りながら細かくチェックしていたことは間違いない。

 約1か月後にはW杯アジア最終予選が始まる。すでにA代表を経験している選手もいるが、GK小久保、センターバックの高井と木村、右サイドバックの関根、MF藤田、FW細谷らは、近いうちにA代表に呼ばれる可能性は大きいと思う。パリ五輪の悔しさを、A代表で活躍するための糧としてほしい。(スポーツ報知評論家)

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