◆JERA セ・リーグ 巨人8―4ヤクルト(3日・東京ドーム)
巨人の船迫大雅投手(27)が投打に大活躍でチームの逆転勝利に大きく貢献した。
2点リードの5回2死から、先発の井上が突如乱れて連続四球と適時打で1点差に迫られ、なおも一、二塁の場面で救援。ヤクルトの中村を一飛にねじ伏せる見事な火消しを見せた。
船迫が嫌な流れを食い止めると、直後の5回裏にはヘルナンデスと岡本の2者連続ホームランも飛び出し、なおも打線がつながり1死満塁となった場面で、サイド右腕がプロ初打席へ。「秋の大学生の大会以来です」という言葉とは裏腹に左打ちでシュアな打撃を披露し、センターの頭を越えようかという中犠飛を放った。「パワーが足りなかったかな」と本人は謙遜したが、ダメ押しの追加点にベンチは大いに盛り上がった。
船迫が打席に入る直前に、ベンチで会話していた阿部監督は「どういう状況でも行くからって言って。打てそうかって言ったら『気持ちだけは』って。じゃあ打ってこいって」と明かし、「大きな1点だったと思うよ」と称賛した。
右腕は続投した6回、先頭に安打を許したが後続をピシャリ。イニングまたぎとなった本職でも、見事な仕事をやってのけ4勝目を手に入れた。
社会人を経て25歳でプロ入りした男が、今季は頼れる中継ぎとして36試合に救援し4勝0敗、防御率1・98。遅咲きながら、リリーフ陣の屋台骨を支えている。