◆パ・リーグ オリックス5―1ロッテ(3日・京セラD)
オリックス・紅林の気迫がバットに乗り移った。5回に2点を勝ち越し、なお2死二、三塁で初球スライダーを左中間へ2点打。「とても悔しい思いをしてきた。何とかグラウンドで見返してやる気持ちだった」。6月27日のソフトバンク戦(京セラD)以来の猛打賞もマークし、チームの連敗を10で止めた。
1日の日本ハム戦(エスコン)で守備の怠慢による懲罰交代を命じられた。2日は1軍から離れ、大阪・舞洲の球団施設で汗を流した後に京セラドームで中嶋監督と会談。「行動で示します」。22歳の強い覚悟に、指揮官も2軍降格させないことを決め、同日のロッテ戦のベンチ外にとどめた。そして、2試合ぶりの先発起用に応えた“孝行息子”に「当たり前のようにやっていた」とうなずいた。
1打席目の登場曲は、アルプスの少女ハイジの主題歌(奇数打席で採用)から河島英五の名曲「酒と泪と男と女」に変更されていた。宗と西川が仕掛け人となった愛あるいじりで「球場が湧いていたんでいいかな」と紅林。忘れてしまいたいことや、どうしようもない寂しさは白星でぬぐい去った。(小松 真也)