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斉藤立の母・三恵子さん、仁氏の遺影掲げ見守る「負けパターンが大体似ているので、今頃すごく怒ってるだろうなとは思います」

スポーツ報知 2024年8月4日 2時15分

◆パリ五輪 第8日 ▽柔道(2日、シャンドマルス・アリーナ)

 男子100キロ超級の斉藤立(22)=JESグループ=は2日の準決勝で世界ランキング1位の金民宗(韓国)に一本負けし、3位決定戦も敗れて5位だった。95キロ超級で1984年ロサンゼルス、88年ソウル五輪を2連覇した父・仁氏(享年54)と親子2代での五輪制覇に届かなかった。

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 斉藤の母・三恵子さん(59)は観客席で仁氏の遺影を掲げて見守った。メダルには届かなかったが「間近で頑張ってきた姿を見てきたので、つらい気持ちは息子と一緒。もっと強くなってもらって4年後、ロスで親子で金メダルを取ってもらいたい」と背中を押した。仁氏がもし見ていたら「負けパターンが大体似ているので、今頃すごく怒ってるだろうなとは思います」とも想像を巡らせた。

 立は3792グラムで生まれ、グングンと成長していった。1歳で体重は15キロ。ベビーカーは2台壊れた。小学校の6年間で身長は43センチ、体重は75キロ増え、卒業時には173センチ、120キロを超えていた。体格は規格外だったが「甘えん坊で私からいっときも離れないような子だった」と振り返る。

 仁氏が亡くなる直前、「2人を必ず立派な柔道家に育てるから。安心していて」と約束し、女手一つで育ててきた。進路など難しい選択の連続だったが、長男の一郎さん(25)は教員として柔道の指導に携わり、次男・立は日本柔道で初めて親子で五輪出場を果たした。「息子は2人とも真っすぐ腐らず頑張ってくれている。ちょっとは褒めてもらえてるかなと思うけど、目指しているのはここじゃない。『お前、何やってんだよ』と怒られないように、また頑張ります」。親子で五輪金メダル。斉藤家の悲願へ、新たな挑戦が始まった。(林 直史) 

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