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「女子であることに疑いの余地は、過去にも決してない」IOCバッハ会長、ボクシング選手の性別めぐる問題に言及…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月4日 7時58分

 ボクシング女子選手の性別を巡る議論に、国際オリンピック委員会(IOC)のトップが言及した。IOCのバッハ会長は3日、パリ市内で記者会見。開催中のパリ五輪で女子選手の性別を巡る議論が過熱していることについて「(IOCとして)2人が女子であることに疑いの余地が生まれたことは、過去にも決してなかった」と強調し、疑義払しょくに務めた。

 国際ボクシング協会(IBA)管轄下で行われた昨年の世界選手権で、性別適格検査で不合格とされたイマネ・ヘリフ(アルジェリア)と林郁婷(台湾)は、IOC管轄下の今大会に出場。パスポートの性別が女性であることが根拠となっている。2人は21年東京五輪にも出場しており、バッハ会長は「2人は女性として生まれ育ち、パスポートも女性と記されている。何年も女性として大会に参加してきた。トランスジェンダーの問題ではない。(批判するならば)科学的な根拠に基づいて提示すべきだ」と指摘。過熱する2人への中傷に対しては「容認できない」とした。

 大会前から2人の出場には疑問の声が上がっており、ヘリフが初戦で対戦したアンジェラ・カリニ(イタリア)が46秒で棄権。「自分の命も守らなければならなかった」と訴えたことから世界中で大論争となっている。ヘリフは3日に行われた準々決勝でもハンガリー選手を5―0で圧倒。林も2日の初戦を快勝している。

 IOCと統括団体の承認を取り消されたIBAとの対立も、問題を複雑化させている。IBAはカリニに優勝者賞金と同額の5万ドル(約735万円)を贈ることを決めた。クレムレフ会長は「女子ボクシングを葬るような行為は理解できない。安全のため、資格ある選手のみがリングで闘うべきだ」と主張している。

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