プロレスリング・ノアの真夏の最強決定戦「N―1 VICTORY 2024」が4日、横浜武道館で開幕する。
6回目を迎える今年の「N―1」は、A、Bブロックにそれぞれ8選手計16選手が参加。開幕戦の横浜武道館から8月25日の愛知・名古屋国際会議場大会まで公式戦を行い、9月1日大阪・エディオンアリーナ大阪第1競技場大会にてAブロック、Bブロックの1位選手による優勝決定戦を行う。
今大会には「WWE NXT」からタビオン・ハイツが初参戦する。東京五輪のレスリング「グレコローマン97キロ級」で7位入賞を果たし、世界選手権でも「銅メダル」を獲得したレスリングの実力者。スポーツ報知は大会前日となる3日にハイツを直撃。「N―1」制覇にかける意気込みを明かした。
ハイツは、1997年7月27日、米コロラド州ファウンテン出身の27歳。レスリングのグレコローマンスタイルで活躍し、2021年の「東京五輪2020」に米国代表で出場。3年ぶりの来日は驚きだったという。
「3年前のオリンピックはコロナの影響で他に類をみない大会だった。だから、今回再び日本に来て『こんなに人がいるんだ』『これだけにぎわっているんだ』と驚いたよ」
五輪の翌年となる22年にレスリング引退を表明しWWEと契約を発表。同年12月1日にNXTデビューを果たした。プロレスへ転向した思いをこう明かした。
「東京オリンピックが自分の中で最高の大舞台だった。オリンピックが終わって達成感みたいなものがあった。ただ、しばらくして自分には『まだ何かあるんじゃないか?何かが足りない』と思ったんだ。そう考えた時に自分は、人を喜ばせて楽しませるのが大好き。これからの人生でそれをやっていきたいと思った。そして行き着いたのがプロレスだった」
身長185センチ、体重97キロの均整の取れた体格を持つ。得意技は、あらゆる体勢から投げるレスリング仕込みの芸術的なスープレックスだ。
「レスリングでは、両腕で相手のボディをロックするのが得意だった。プロレスでは、これを生かして相手の腕をロックし上半身の力を使って持ち上げてたたき落とす技がフィニッシュになっている」
技の名前は「バスト」あるいは「ボディロック」と言っているが「自分の名前にちなんで『ハイツ・ボム』と呼んでもいいかもしれない」とほほ笑んだ。必殺のスープレックスをひっさげて参戦する「N―1」。日本マット界の印象をこう明かした。
「日本のプロレスには戦う精神がある。戦士同士の戦いだ」
あこがれのレスラーを聞くと即答した。
「丸藤(正道)だ。世界中のプロレスラーが表現している『マルフジ』の動きを自分もできるようになりたいんだ」
7・13日本武道館の丸藤とAJスタイルズの試合も見た。
「まさにプロフェッショルな試合だった」
だからこそノア参戦で期待していることがある。それは丸藤との対戦だ。丸藤は「N―1」に参戦していない。そのためシングルで戦う可能性は、恐らくないだろう。ただ、タッグで対戦、あるいは組む可能性はある。
「何としてでも対戦する機会がほしい。丸藤の技を食らって体感したい。もしかしたら、自分が彼の動きをやるかもしれないよ(笑)」
注目の「N―1」。戦いを楽しみにしている相手は「拳王」だという。
「彼はすばらしいトップ選手。戦うことで自分を高めることができるはず」
最後にメッセージを残した。
「自分のスタイルは爆発的。まばたきしている間に相手が吹っ飛んでいる。一瞬でいろんなことがリング上で起きる。何が起こるかわからない。そんな激しい動きをまばたきしないで見てほしい」
(福留 崇広)
▼「N―1」出場選手は以下の通り
◆Aブロック
清宮海斗(2年ぶり4回目の出場)
マサ北宮(6年連続6回目の出場)
大岩陵平(新日本プロレス/初出場)
ジャック・モリス(3年連続3回目の出場)
ドラゴン・ベイン(初出場)
ルイス・マンテ(DRAGONGATE/初出場)
ジョシュ・ブリッグス(NXT/初出場)
小峠篤司(初出場)
◆Bブロック
拳王(6年連続6回目の出場)
征矢学(2年連続4回目の出場)
佐々木憂流迦(初出場)
稲村愛輝(2年連続3回目の出場)
イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.(3年連続4回目の出場)
アルファ・ウルフ(初出場)
タイタス・アレクサンダー(初出場)
タビオン・ハイツ(NXT/初出場)