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阿部詩、柔道混合団体出場までの揺れ動いた6日間語る 28年ロス大会は兄・一二三とともに「金メダルを獲得できるように」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月4日 20時21分

◆パリ五輪 第9日 ▽柔道(3日、シャンドマルス・アリーナ)

 女子52キロ級の阿部詩(24)=パーク24=が、28年ロサンゼルス五輪への挑戦を明言した。7月28日の個人戦2回戦でディヨラ・ケルディヨロワ(ウズベキスタン)に敗戦。2連覇を逃して号泣したが、3日の混合団体2回戦のスペイン戦に出場し、1番手で合わせ技一本勝ち。兄で男子66キロ級の阿部一二三(26)=パーク24=と2大会ぶりの兄妹(きょうだい)優勝を目指す決意を明かした。

 詩が4年後へ再スタートを切った。混合団体は初戦で日本の先陣を切って勝利。チームを勢い付けると、決勝は兄・一二三らの激闘を祈るように応援した。「全ての選手が全力を尽くして戦っている五輪の舞台は、素晴らしいものだと感じた」。14人で銀メダルをかけた表彰台で笑顔も見えた。

 7月28日の個人戦2回戦で敗退し、会場に響き渡るほど号泣した。女子の増地克之監督(53)から「団体戦の金メダルに向けてお前でスタートするんだ」と起用を打診されたのは数日前。傷は癒えていなかったが「葛藤もあったけど、ここで切り替えられずに出ないという決断をした時に、後悔すると思った」と畳に上がる覚悟を決めた。

 兄・一二三は男子66キロ級を連覇した後、詩への思いを聞かれ「もう一度同じ舞台に立って、ロスで一緒に金メダルを取りたい」と語っていた。そのエールにこの日「五輪の舞台で必ずリベンジしないといけない。また2人で出場して、しっかり金メダルを獲得できるように」と初めて応えた。

 心が揺れ動いた6日間だった。SNSでは「情けない姿を見せてしまい申し訳ありませんでした」と謝罪もした。「人生の中で忘れられない6日間になった。自分が踏み出した一歩は必ず何かにつながると信じている。この負けを糧に、必ずもっともっと強くなる」。勇気を持って踏み出した一歩から、ロスへの挑戦が始まった。(林 直史)

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