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中村勘九郎、粋で色気のある「髪結新三」念願の初役「やっとできる。新三をできる役者になれて、うれしい」

スポーツ報知 2024年8月5日 2時1分

 歌舞伎俳優の中村勘九郎が4日、初日を迎えた東京・歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」(25日・千秋楽)の第2部「梅雨小袖昔八丈 髪結新三(つゆこそでむかしはちじょう かみゆいしんざ)」に出演した。

 河竹黙阿弥による世話物の名作。祖父の17代目中村勘三郎、父の18代目勘三郎が当たり役とした新三に、満を持して勘九郎が初役で挑んだ。見どころは勘九郎演じる新三が髪結姿から一変し、忠七(中村七之助)をののしる七五調の「傘づくし」の名ゼリフ。悪党の本性をあらわにしながらもどこか粋で色気のある新三の姿に、客席は一気に引き込まれた。

 小気味良いやり取りの中では「ギャーギャーうるさいのは、うちのオヤジだよ」と今年が13回忌となる勘三郎さんを思わせるアドリブが飛び出すなど、大きな笑いが起こった。また、初鰹を売る魚売りの声や、湯上りの浴衣姿の新三など、季節感にあふれ、江戸の庶民の生活を描き出す。勘九郎は事前の取材会で「子供の頃から憧れた新三をやっとできる。親がいればもっと早くできたのだろうか…。新三をできる役者になれて、うれしい」と喜びをかみ締めていた。

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