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【甲子園】掛川西は初戦で日本航空との「富士山ダービー」…60年ぶり夏1勝狙う

スポーツ報知 2024年8月5日 9時44分

 第106回全国高校野球選手権大会(7日開幕・甲子園)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われ、掛川西は第4日(10日)第4試合の1回戦で日本航空(山梨)との対戦が決まった。“富士山ダービー”に挑む両校はともに粘り強い野球を掲げるが、山下陸人主将(3年)は「負けられない。日本一ということを証明したい」と、60年ぶりの夏の甲子園1勝へ意気込んだ。また日本航空・小林幹汰二塁手(3年)は小、中学校時代の幼なじみで、対戦を心待ちにしていた。

 ドラマチック掛川西だ。36番目に札を引いた山下主将は初戦の相手が決まると「神様が与えてくれたプレゼント」と声を弾ませた。日本航空の4番に座る小林とは投手だった浜松南リトルではバッテリーを組み、リトルシニアでも一緒に成長を重ねてきた仲だ。着座した後に壇上から日本航空ナインが座る席を見ると、目が合った。「やってやるぞといい顔をしていた」。全国切符を手にした時に「戦いたい」とLINEでやりとりを交わしていただけに喜びもひとしおだった。

 日本航空との公式戦は初となるが、練習試合を毎年行っており4月には勝利している。ただ山下は「戦ったのは4か月前。向こうのチームがどうなっているかはわからない」と警戒した。相手は県大会5試合でチーム防御率0・45と抜群の投手力を誇るだけではなく、チーム打率3割7分9厘と投打ともに盤石。「走攻守で力のあるチームなので、自分たちの持ち味を出しながらいい試合ができればいい」と意気込んだ。相手は「日本一泥くさい野球」を掲げるが、同じくチーム野球を信条としているだけに「こちらも譲れないものがある。気持ちは絶対負けないように、やってきたことを証明したい」と気合を入れていた。

 また山下は、10日に初戦を迎えることに「運命を感じる」と話す。大石卓哉監督(44)も同じ気持ちを抱いていた。指揮官は同校が前回出場した1998年大会の主将で、同日に初戦を迎えていた。「一緒に戦った仲間と『甲子園の日』と名付けている日。26年ぶりに甲子園で戦うということは力以外の何かが働くんだなと感じました」と目を細めた。あとは60年ぶりの夏甲子園1勝を果たし、より特別なメモリアルデーにするだけだ。山下は残りの期間までに「自分たちは『毎日強化』と言っているのでまだ強化できる時間がある。一日を大切にしながら守備、打撃、投手ともっとレベルアップした状態で初戦を迎えられるように、体も心も強化して臨みたい」と力を込めた。

(伊藤 明日香)

  〇…掛川西は抽選会前の午前7時45分から甲子園練習を行い、シートノック、1か所打撃などで約20分間、聖地の感触を確かめた。大石監督は「選手らがはつらつと甲子園を楽しむ感じがあったので非常に楽しみ。準備して入ったので、ホームグラウンドで野球をやっているような感覚さえあった」。遊撃を守る山下主将は「球場もきれいで最高。守りやすかった。県の代表として責任を持ってプレーできれば」と気負いはなかった。

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