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岡慎之助、平行棒で銅メダル!日本勢の夏冬五輪通算600個目 「日本の宝」が今大会3個目

スポーツ報知 2024年8月5日 19時21分

◆パリ五輪 第11日 ▽体操男子(5日、ベルシー・アリーナ)

 種目別平行棒の決勝が行われ、団体&個人総合2冠で初出場の20歳・岡慎之助(徳洲会)が15・300点をマークし、銅メダルを獲得した。日本のメダル数としては夏冬合わせて通算600個目。同種目の日本勢は、2004年アテネ五輪・冨田洋之氏の銀メダル以来、20年ぶりとなった。1大会で3つのメダル獲得は体操界では21年東京五輪の橋本大輝(セントラルスポーツ)以来。鄒敬園(中国)が驚異の16・200点をマークし金メダル。谷川航(セントラルスポーツ)は14・133点で6位だった。

 岡の美しい平行棒だった。団体予選、決勝、個人決勝ともミスがなかった流れをそのままに、この日の種目別決勝にもつなげた。関門だったE難度の「マクーツ」も足先までぴんと伸び、しっかりと決めた。着地もぴたりと決め15・300点だった。

 鄒敬園が抜けているとはいえ、銀メダルは狙えた。ただ想定外だったのは、銀メダルを獲得したイリヤ・コトゥフン(ウクライナ)。予選では6位と、3位の岡より下位で通過した。しかし、予選で難度を表すDスコアが6・7点だったのを7・0点に上げた。岡はDスコアが6・5点のまま。その時点で0・5点の差がついていた。

 しかし、次世代を担う日本の宝・岡の勢いは止まらなかった。今春には腰に違和感を抱えてきたが、本番までに不安要素は払拭。五輪でついに本領発揮した。

 団体決勝では、自ら任された種目で大きなミスなく演技を完遂。3・267点差で迎えた最後の鉄棒は、中国に大きなミスが出て、一気にチャンスが巡ってきた。日本も失敗すれば、金が遠ざかる緊迫の中、岡は2番手で14・433点と確実につないだ。21年東京五輪2冠の橋本も「何で初代表はこんなに強いんだ。やべえなって思った」。初舞台も堂々の演技を見せた。 絶好調のまま迎えた個人総合決勝では、橋本と張(中国)、世界王者の一騎打ちが予想されたが、両者にミスが出る波乱の展開。そこでも岡は「緊張をかみしめながら楽しんで」と左右されなかった。床運動から着地を止め、好発進。笑顔が絶えない。まさに心から楽しんでいるようだった。出来栄えを示すEスコアは、つり輪を除く5種目で8点後半台。ニッポンの伝統、美しい体操で世界を驚かせた。

 名前の由来は「スーパースターになってほしい」とプロ野球・巨人の阿部慎之助監督から。自身が野球経験者で名付けた父・泰正さんは、個人総合を制した後、五輪で輝く息子に感涙。「(僕の中での)スーパースターは息子ですね」と誇った。自慢の息子は再び、五輪でメダルを手にした。

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