Infoseek 楽天

酒井宏樹が語るオークランドFC移籍「未知なる挑戦」「浦和は転換期。必ず大きいクラブに戻して…」

スポーツ報知 2024年8月5日 18時58分

 サッカー元日本代表DF酒井宏樹(34)がオーストラリア1部・Aリーグに来季から新規参入するオークランドFC(ニュージーランド)に新加入することが先月25日、発表された。

 酒井はJ1柏、ドイツ1部ハノーバー、フランス1部マルセイユを経て、21年夏に浦和へ加入。同年の天皇杯、昨年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で優勝に貢献した。今季は2年連続で主将に就任した中、丸3年プレーした浦和からオークランドFCへの移籍を決断した。

 酒井は移籍に際して、スポーツ報知などの取材にオンラインで応じ、移籍理由や今後の目標などを語った。

* * * * * *

 ―オークランドFCに移籍を決めた背景は

 「ゼロベースで始まるクラブ。3~4か月前にできて、オークランドという人口が多い街で始まるクラブで、非常に大きなものをもたらしてくれると思う。僕自身、新たな経験、未知なる挑戦をしたいと思った」

 ―なぜオーストラリアなのか

 「僕は9年間ヨーロッパにいて、(プロ1年目に)ブラジルにもいた。そこまで国をわたる抵抗感はない。ヨーロッパでの自分のピリオドは終わり、日本でも1つ(ACLで)優勝したことで終えたのかなと。新たなところを探してたところで、ここは本当に挑戦したいと思った。単純に住んでみたいなと思った国であり、街だったので、チャレンジしたいと思った」

 ―34歳で再び海外移籍。求めたものや家族の反応は

 「環境もそうだし、子育てや家族で過ごすこともそう。奥さんは海外に非常にポジティブな方なので、行くことに賛同してくれた。子供に言った時はちょっとだけ嫌がってましたけど、次の日にはケロっとしていた(笑い)。僕ら親がどれだけポジティブに子供に話せるかが大事だと思って話したら、子供たちも楽しそうに反応してくれた。ここからポジティブなものにするには僕らが団結していくことが大事だと思う」

 ―オークランドは、ゆかりはあったか

 「ニュージーランドは初めて来た。オークランドも記事で見るくらい。高橋秀人くんがオークランド・ユナイテッドにいるので、秀人くんとやり取りしていた。住むエリアや環境を教えてもらい、この移籍にとってはすごく助けになった」

 ―移籍に際して、参考にした人はいるか

 「小野伸二さんが(12~14年に)ウエスタン・シドニーで活躍して、日本にも大きなニュースを届けてくれたのを覚えてる。シドニーはオセアニアの中では自分が尊敬してるクラブ。ああいう状況を自分でも作れればと思う」

 ―街の雰囲気は

 「今は真冬だけど、外で半袖で過ごしても大丈夫。夏も最高でも30度くらいで、サッカー選手には心地よい気温なのかなと思う。若い人はサッカー熱が増えていると聞きます。でも、ニュージーランドはラグビーの国だと思うので、始まってみてサッカーにも興味を持ってほしい」

 ―オークランドFCのクラブ規模や雰囲気は

 「クラブハウスの大きさはすごい。新しいトレーニングジムは工事前なので何もできてなくて、キッチンを今から壊してジムにすると聞いた。キャンプが終わった頃には使えるみたいです。全てが始まったばかりで、おもしろさはある。そういう自分にとって不都合なところを今回は楽しみたいと思った」

 ―今後のスケジュールは

 「8月にシドニー、9月にメルボルンでキャンプがある。リーグ戦は10月半ばから始まるので、浦和を離脱してから少しお休みをいただいてた。少しラグがあったので、日本の皆さんに『大丈夫かな?』と思わせたかもしれないけど、ちゃんと計画的なお休みだった」

 ―日本とシーズンが変わり、今後のコンディション作りは

 「僕はヨーロッパで9年いて、日本は柏と浦和の3年なので、欧州の方が長い。そのサイクルには慣れている。暑さも含めて、1年間通して高いインテンシティーを出せればと思う」

 ―常に長距離移動がある

 「移動は厳しい部分はある。そこを含めて、新しい経験を自分の中で楽しみたい。キャリアが終わった後、ああいう移動があったなと笑い話になれるようにできればと思う。サッカー選手としては勝つことが全てなので、その移動も含めて勝てればと思う。逆に(他のチームは)オーストラリアから僕らのチームに来るので、そこは平等だと思う」

 ―新しいチームでコミュニケーションは

 「積極的にコミュニケーションを取る方なので、そこまで心配していない。英語も長く欧州にいたので、ネイティブ英語は少し不安だけど、1年間ずっと話していれば少しは慣れるかなと思う。記者会見はフランスもドイツの時も今回も通訳をたてたけど、監督やスポーツダイレクターとも英語で話してるので問題ないかなと思う」

 ―背番号2に決定

 「自分で選べたし、子供にも相談した。番号を変えると子供に『なんで変えたの?』と言われそうなので(笑い)。ここ8年、背番号2番で大きな成功を遂げているので、ここからも成功したい。初心に返る、もう一回気持ちを改めることも込めて2番にした」

 ―マルセイユで欧州CLに出場し、浦和でACLを制した。今後の目標は

 「もちろんタイトルはほしい。でも、オークランドのスタジアムを常に満員にすることは目標にしたい。それは自分たちのパフォーマンス次第。街が熱狂するような形をつくっていきたい」

* * * * * *

 ―丸3年在籍した浦和への思いは

 「浦和には本当に感謝しかない。(6月30日の磐田戦後のあいさつで)最後、ブーイングで送られたとしても感謝しかなかった。みんなが勝ってくれて、気持ちよく送り出してくれてうれしかった。今、浦和は転換期みたいなものだと僕は思うので、苦しい状態が今は続いていますけど、残っている選手たちが必ず大きいクラブに戻してくれると願っているので、頑張ってほしいと思う」

 ―伊藤敦樹が新主将に就任した

 「僕はもともと、アカデミーの選手がキャプテンをやるのが一番ふさわしいと思っていた。敦樹やタカ(関根貴大)、松尾(佑介)もそうだけど、彼らが引っ張っていくのが大事だと思う。急がせすぎた感はちょっとあるかもしれないけど、こういう状況だからこそみんなが支えあってくれると思う。浦和には(興梠)慎三さんや(西川)周作くん、ウガ(宇賀神友弥)さんだったり、いろんな経験豊富なベテランがいるので、彼らが支えてくれると思う」

この記事の関連ニュース