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岡慎之助、鉄棒でも金「奇跡ですね」「サイコー!」日本男子52年ぶり体操3冠 団体&個人総合&鉄棒V 1大会メダル4個

スポーツ報知 2024年8月5日 21時23分

◆パリ五輪 第11日 ▽体操男子(5日、ベルシー・アリーナ)

 団体&個人総合を制した初出場の岡慎之助(徳洲会)が種目別鉄棒決勝で金メダルを獲得した。1972年ミュンヘン五輪の加藤沢男以来、52年ぶりに日本男子3冠の偉業をなし遂げた。この日は種目別平行棒でも銅を獲得。体操で五輪1大会4個のメダルは、1984年ロサンゼルス五輪の具志堅幸司以来40年ぶりの快挙だった。

 岡は鉄棒金については「奇跡ですね」と声を弾ませた。4個のメダルを獲得した今大会について問われると「サイコー! しか言ってないんですけど。本当に自分の中では団体の金メダルが一番うれしいです」と笑顔を見せた。

 鉄棒で岡の難度を表すDスコアは予定では8人中、ヨルギウ(キプロス)と並んで最も低い5・9点。しかし、大半の選手が落下や着地の大過失が出る中、最後までミスなく演技したのは岡だけだった。技の美しさを表すEスコアは8・633点と、ただ1人だけ8点台をマークした。合計では2位のアンヘル・バラバス(コロンビア)と同点の14・533点だが、同点の時はEスコアが上の選手が上位となる。日本が誇る技の美しさで獲得した金メダルだった。

 団体決勝では、自ら任された種目で大きなミスなく演技を完遂。3・267点差で迎えた最後の鉄棒は、中国に大きなミスが出て、一気にチャンスが巡ってきた。日本も失敗すれば、金が遠ざかる緊迫の中、岡は2番手で14・433点と確実につないだ。21年東京五輪2冠の橋本も「何で初代表はこんなに強いんだ。やべえなって思った」。初舞台も堂々の演技を見せた。 絶好調のまま迎えた個人総合決勝では、橋本と張(中国)、世界王者の一騎打ちが予想されたが、両者にミスが出る波乱の展開。そこでも岡は「緊張をかみしめながら楽しんで」と左右されなかった。床運動から着地を止め、好発進。笑顔が絶えない。まさに心から楽しんでいるようだった。出来栄えを示すEスコアは、つり輪を除く5種目で8点後半台。ニッポンの伝統、美しい体操で世界を驚かせた。

 名前の由来は「スーパースターになってほしい」とプロ野球・巨人の阿部慎之助監督から。自身が野球経験者で名付けた父・泰正さんは、個人総合を制した後、五輪で輝く息子に感涙。「(僕の中での)スーパースターは息子ですね」と誇っていた。

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