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男子フルーレ団体金・飯村一輝の父は北京銀・太田雄貴氏を指導「物心ついた時から、お兄ちゃん、みたいな」…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月5日 23時5分

◆パリ五輪 第10日 ▽フェンシング(4日、グランパレ)

 フェンシングの男子フルーレ団体は、日本(敷根崇裕、飯村一輝、松山恭助、永野雄大)が史上初の金メダルを獲得した。20歳の飯村の父で、2008年北京五輪個人銀メダルなどの活躍を見せた太田雄貴氏を育てた栄彦さん(47)指導の下、偉大な銀メダリストを超えた。

 男子フルーレ団体決勝で、最後にピストに立っていたのは最年少の20歳、飯村一輝だ。「最後の1点が取れた瞬間は、夢なのか現実なのか分からなくなった」。夢見心地な若武者は、母校・龍谷大平安高の偉大な先輩の背中を超えた。

 父・栄彦さんは、08年北京で個人、12年ロンドンで団体銀の太田雄貴氏(38)のコーチ。龍谷大平安では、OBらが現役選手を教える伝統を栄彦さんが築いていた。正月には必ず太田氏は栄彦さんのもとにあいさつに訪れ、一輝にとっては「物心ついた時から、お兄ちゃん、みたいな」。身近に憧れの存在がいた。

 父は「体の小さい選手が、どうすれば大きな選手に勝てるか」ということを太田氏も含めて一貫して指導。小学校低学年の頃は指を掛ける部分がある「ベルギアン」ではなく、棒状の「フレンチ」を通常半年ほどの期間を約3年間持ち続け、指先の力を強化した。相手との間合いを詰める練習も徹底。鋭く踏み込み、的確に相手を突く技術を磨いた。

 今大会、五輪デビューながら個人でもメダルまであと一歩だった4位。団体戦で任された大役も「非常にいい経験になった」と頼もしく語った。“お家芸”と言われた男子フルーレの系譜。20歳の若き剣士が、確かに継いだ。

(大谷 翔太)

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