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スケボー・四十住さくら「最後までいけなくて本当に悔しい」1本目点伸びず高得点狙った2、3本目は転倒で予選敗退…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月7日 0時4分

◆パリ五輪 第12日 ▽スケートボード女子パーク予選(6日、コンコルド広場)

 女子パーク予選で、2021年東京五輪女王の四十住さくら(22)=第一生命保険=は79・70点の10位となり、上位8人による決勝進出を逃した。1本目で全ての技を成功させたが、2、3本目は転倒し点数を伸ばせず、2連覇はならなかった。

 前回女王は、決勝の舞台にも届かなかった。3本のラン全てで80点に届かず、落選。「最後までいけなくて本当に悔しい」と目に涙を浮かべた。五輪初採用の東京大会よりも緊張し「思うように体が動かなくて、やりたいことができていなかった」と漏らす。1本目は多彩に技を決めたが79・70点と思ったように点が伸びず、難度を上げて高得点を狙った2、3本目は途中で転倒した。

 昨年、右膝後十字じん帯断裂の大けがを負った。5月の五輪予選は松葉づえをついて開催地のアルゼンチンへ向かった。コースを滑るだけで精いっぱいで、技を出すこともできなかった。それでも、これまでめいっぱい滑っていた練習時間を短めに設定し、効率性を重視するなど工夫。「けがをしたことによって、またスケボーの楽しさがわかりました」と気持ちを新たに厳しい予選大会を勝ち抜いた。ただパリ五輪直前も腰やでん部に打撲のけがを負った。

 天性の才能で、トップへの道を駆け上がってきた。大会前にコース図面が発表されると、見た瞬間、四十住には自身が滑るコース“光のライン”が見える。努力では埋められない、大きなポテンシャルだ。その上で「この傾斜ではこの技をした方がいいんじゃない?」と他選手にも惜しみなくアドバイス。その姿は、まさに“スケボーカルチャー”だった。

 22歳にしてスケボー歴約10年のベテラン。世界女王になってもなお、貪欲に進化を求めており、「小さい子が練習していると、本当に天才的な動きを突然やったりするんです」と新しいことに目を向け続けてきた。「やりたいことを出し切れば連覇できる」と自分を信じて臨んだ大会。苦難を乗り越えて再び頂点を目指したが、夢には届かなかった。(手島 莉子)

 ◆四十住 さくら(よそずみ・さくら)2002年3月15日、和歌山・岩出市出身。22歳。岩出小6年時からスケボーを始める。岩出中1年時に初出場したSSGカップ(神戸)で、レディース部門2位。16、17年の全日本アマレディース部門(ストリート)で2連覇。その後パークに軸足を移し、18年には日本選手権、アジア大会、世界選手権の3大会を制した。21年東京五輪、22年Xゲーム千葉大会で金メダル。159センチ。

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