◆パリ五輪 第13日 ▽陸上(7日、フランス競技場)
女子やり投げ予選で、2023年世界選手権優勝の北口榛花(JAL)は、1投目で62メートル58を投げ、自動的に予選通過となる62メートルを超えた。貫禄の“一発回答”で、2大会連続の決勝進出を決めた。投げ終えるとコーチに向かいガッツポーズ。「1回で(62メートルを)超えるっていうのが今日の目標ではあったので、しっかり超えてよかったと思います」と振り返ると、「初めて観客の皆さんがいらっしゃるオリンピックを経験しているんですけど、午前中のセッションからこんなにたくさんのお客さんが入ってて、すごく幸せです。すごく楽しく試合できてます」と笑顔を見せた。
陸上女子種目で、日本勢の五輪金メダリストは、マラソンの2000年シドニー・高橋尚子、2004年アテネ・野口みずきだけで、競技場内で行われるトラック&フィールド種目での日本女子の五輪金メダリストはまだいない。初の快挙を目指す。
7月12日のダイヤモンドリーグ(DL)モナコ大会は今季自己最高の65メートル21で制していたが、最終調整として出場した7月20日のDLロンドン大会は62メートル69。DLで初めて表彰台を逃した。今大会へ万全に調整できているかどうかが、金メダル獲得の鍵を握っている。
21年東京五輪では、日本勢57年ぶりに決勝に進むも、決勝では左脇腹の痛みなどで12人中12位に終わった。「東京の時は右も左もわからない。ただ『オリンピックだ、ワ~』っていう感じだったんですけど、今回はオリンピックの過ごし方だったり選手村、試合の雰囲気を経験しているので、しっかり準備して臨めるかな」と話していた。
◆北口 榛花(きたぐち・はるか)1998年3月16日、北海道・旭川市生まれ。26歳。バドミントンは小学6年時の全国大会団体戦で優勝も、旭川東高で陸上やり投げに転向。2年時から全国高校総体を連覇。3年時の2015年世界ユース選手権(コロンビア)で金メダル。16年に日大へ進学。19年に66メートル00の日本新(当時)を樹立した。20年にJAL入社。21年東京五輪12位。世界陸上は22年オレゴン大会で銅メダル、23ブダペスト大会で金メダル獲得。23年9月に67メートル38の日本新記録をマークした。家族は両親。