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卓球女子団体4大会連続メダル王手 負傷の左腕回復でチキータ&バック解禁!早田ひなに笑顔戻った…パリ五輪

スポーツ報知 2024年8月7日 23時5分

◆パリ五輪第13日 ▽卓球(7日、パリ南アリーナ)

 6日の団体準々決勝で、世界ランク2位の日本女子は同13位のタイを3―0で退け、5大会連続の準決勝進出。12年ロンドン五輪銀から4大会連続のメダルに王手をかけた。ダブルスで早田ひな(24)=日本生命=、平野美宇(24)=木下グループ=組が先勝。負傷中の左腕が回復傾向にある早田の状態を、担当の宮下京香記者が「見た」。9日の準決勝はドイツと対戦する。男子も日本は台湾を3―1で下し、4強入りで3大会連続のメダルにあと一歩と迫った。

 第1試合のダブルスで早田がバックに構えた。2―0の第3ゲーム(G)。9―5から相手のサーブに対し、左手首をしっかり返してチキータレシーブだ。強い回転のかかった球が勢いよく相手コートへ。早田は笑顔で右拳を握った。軸は負傷中の左腕に支障がないフォアハンドだが、この日はバックハンドも“解禁”して組み立てた。

 「(チキータは)やってみたくて。(患部は)あまり気にならなかった。1つの武器として使える。できることが1つずつ増えて、やっぱり卓球って楽しい」

 表情も明るい。2日のシングルス準決勝では、バックで力を入れて返すプレーはほとんど見られなかった。同試合後、相手の孫穎莎(中国)にも心配されたという。3日の同3位決定戦も回り込んでのフォアのみ。初の銅メダルにうれし涙も、不安でいっぱいの表情に見えた。だが、この日は違った。第2Gの8―6でバックハンドドライブで得点。1点ごとに平野と戦術を話し合う。まだ100%の状態ではないとは感じるが、左腕に集中した意識は外に向き、相手と戦っていた。試合後も第2試合の張本美和に助言を送るなど、視野も広がっている印象だった。

 5日の団体1回戦後は取材は受けず、4~5時間の治療に専念。前日まで約15分しかできなかった練習が約1時間こなせるまで回復した。左腕でドライヤーも「持てるようになった」と笑う。左手首のテーピングの量は減った。相方の平野も「昨日よりもすごく良くて、このペアはすごく合っている」と手応えを口にしていた。

 団体戦前に女子の渡辺武弘監督(62)は補欠との入れ替えも「頭をよぎった」というが、エースの存在は精神的にも影響する。メダルを懸けた8日(日本時間9日午前3時)の準決勝は、相手も強敵で早田のシングルス出場の可能性もあるが、7日は試合がなく調整に充てられる。エースの復調は、悲願の金メダルへの光となりそうだ。(宮下 京香)

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