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パリ五輪新種目の競歩リレーで日本勢は8位と13位 リオ五輪銅メダルの荒井広宙氏「女子の選手層が薄い」

スポーツ報知 2024年8月7日 21時5分

◆パリ五輪 第13日 ▽陸上(7日、トロカデロ広場周回コース)

 新種目の「混合競歩リレー」が行われた。男女1人ずつでチームを組み、マラソンの距離(42・195キロ)男子(11・45キロ)、女子(10キロ)、男子(10キロ)、女子(10・745キロ)の順番でリレーして競われた。

 スペインのアルバロ・マルティンとマリア・ペレスのペアが2時間50分31秒で金メダルを獲得。初代王者に輝いた。銀メダルはエクアドルのペア。銅メダルはオーストラリアのペアだった。

 日本勢は川野将虎(旭化成)と岡田久美子(富士通)のペアが2時間55分40秒で8位入賞。高橋和生(ADワークスグループ)と柳井綾音(立命大)のペアは2時間58分8秒で13位だった。

 2016年リオ五輪男子50キロ競歩銅メダルの荒井広宙(ひろおき)氏(36)は新種目について「警告が勝負を分けた。きれいな歩型の男女選手をそろえたチームが強かった」と分析した。日本勢については「女子の選手層が薄い。逆に言えば、まだ、伸びしろが残っている」と今後に期待した。

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 新種目の競歩混合リレーは、ペアが力を合わせて戦い、その思いが伝わってきた。競歩の新しい魅力や可能性を示してくれた。

 勝負を分けたのは「警告」だった。男女の種目よりも混合リレーの方が警告がシビアに出された印象だ。特に3区の男子で警告が多かった。2区の女子からスピードが速くなることで、審判の判断に微妙なズレが生まれたように見えた。

 3回、警告をもらうと、3分もペナルティーを受ける。3分遅れると、メダルや入賞の可能性はほとんどなくなる。金メダルのスペインペアと銅メダルのオーストラリアペアは1枚も警告をもらわなかった。きれいな歩型の男女選手をそろえたチームが強かった。

 川野選手と岡田選手のペアはメダルを狙える立ち位置にいたため、8位という結果に100%の満足していないだろうが、それでも、入賞したことは、今後の日本競歩界につながる。

 高橋選手と柳井選手はともに五輪初出場。高橋選手は世界選手権の経験もなく、プレッシャーがある中で力を出し切ったと思う。柳井選手は20キロ競歩の出場を辞退したことでナーバスになっていた中でレースをまとめた。まだ、20歳なので、今回の経験を生かして、今後、もっと伸びてくるだろう。

 日本勢は2組とも女子の区間で順位を下げた。五輪や世界選手権でメダル獲得や入賞がある男子に対して、女子は選手層が薄い。逆に言えば、まだ、伸びしろが残っているので、今後、若い女子選手が台頭してくることを期待したい。

 先に述べたように、混合リレーは個人レースよりも歩型が鍵を握る。どの審判が見ても「この選手は問題ない」と思わせる正確な歩型に重きを置いて強化することが重要だ。(2016年リオ五輪男子50キロ競歩銅メダル)

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