◆JERA セ・リーグ 巨人3―3広島(7日・東京ドーム)
巨人は無得点に抑えれば負けはなくなる延長12回2死一、二塁の場面で、2日に1軍復帰した高橋礼投手が8番手で登板。復帰後初マウンドは、堂林を二ゴロに仕留め、ほっとした笑顔でベンチに戻った。
この回は7番手で平内龍太投手が登板。先頭の菊池に左前打、送りバントと申告敬遠で1死一、二塁とされたが、代打・松山竜平外野手を空振り三振に打ち取ったところで、阿部慎之助監督が8番手・高橋礼への交代を告げた。この大胆な采配に東京ドームが沸いた。
「もう左バッターいないし、力勝負よりは打ちづらそうなのを選んだんですけどね。よく抑えてくれました」
高橋礼の今季ここまでの左右別対戦被打率は、対右打者が.186で対左打者が.253。右打者への圧倒的優位なデータを知った上での、指揮官の狙いすました一手だった。
ソフトバンクから新加入した今季、開幕ローテ入りしたサブマリン右腕は、先発で2勝を挙げたが、左打者への配球が課題となり5月30日のソフトバンク戦での先発(3回5失点KO)を最後に、ファーム降格。この日は、それ以来の1軍登板となり、移籍後初の救援。しかも、延長12回の大ピンチでの出番となったが、見事に「右キラー」として大役を果たした。