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村竹ラシッドが110M障害で日本勢初の決勝 ギリギリ8番目の進出に「この世の終わりみたいな気分で待っていました」

スポーツ報知 2024年8月8日 3時13分

◆パリ五輪 第13日 ▽陸上(7日、フランス競技場)

 【パリ(7日)=手島莉子】男子110メートル障害準決勝で、22年世界選手権(オレゴン)代表の村竹ラシッド(JAL)が五輪の同種目で、日本勢初となる決勝進出を果たした。

 順大の先輩の泉谷駿介(住友電工)と共に13秒04の日本記録を持つ村竹は準決勝第1組で13秒26で4着。各組上位2着による決勝進出を逃し、全3組の3着以下の2位以内のタイムによる進出の可能性だけが残された。第2組、第3組を終えて、ギリギリの8番目で決勝進出を決めた。

 「この世の終わりみたいな気分で待っていました。もう、自分の力ではどうにもならないので心苦しかったです。決勝進出が決まった瞬間、泣きそうになりました」と村竹は泣きそうな表情で話した。

 結果的に村竹が8番目で決勝に進出。順大の先輩の泉谷が9番目タイで決勝進出を逃した。「本当は喜ぶべきところですが、着順(2位以内)で決めたかったです」と静かに話した。

 準決勝は決して会心のレースではなかった。「加速しようとしたところの3台目のハードルで当たってしまい、立て直せなかった。ほとんどのハードルにぶつかってしまった。情けない走りをしてしまいました」と反省した。

 ただ、日本勢初の決勝に向けては意欲をみなぎらせた。「決勝ではメダルを取りたいし、日本記録(13秒04)を更新したいし、12秒台も出したい。空回りせずにメダルを目指して走ります」と力強く話した。

 村竹は、21年東京五輪の選考を兼ねた日本選手権の予選で参加標準記録を突破しながら、決勝でフライング失格し代表入りを逃した。23年は春に左太もも裏を痛めて世界選手権代表を逃したが、上半身を強化するなどし、同9月は泉谷の持つ日本記録(13秒04)と同タイムをマーク。日本記録保持者になった。

 パリ五輪内定を決めた6月末の日本選手権(新潟)決勝では雨の降る悪条件の中、13秒07の自身セカンドベストをマークして初優勝。「アベレージが上がってきた」と手応えを明かしていた。

 ◆村竹 ラシッド(むらたけ・らしっど)2002年2月6日、千葉・松戸市生まれ。22歳。トーゴ人の父と日本人の母の元に生まれた。小学5年時から陸上を始め、松戸第一中から本格的に110メートル障害を始める。松戸国際高3年時は全国高校総体制覇。順大に進み、22年世界選手権(オレゴン)は予選敗退。23年9月に日本記録タイ(13秒04)をマーク。24年6月に日本選手権初制覇。今春JALに入社。179センチ。

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