◆第106回全国高校野球選手権大会第2日目 ▽1回戦 興南0―5大阪桐蔭(8日・甲子園)
興南は大阪桐蔭・中野大虎投手(2年)にわずか4安打で完封負け。エース・田崎は1、2回と3者凡退に抑えるも、2巡目から大阪桐蔭打線につかまり5失点と奮わなかった。
7回2死から登板した興南・金城勇希投手(3年)は、最後まで投げ抜き無失点の投球を披露。今大会注目左腕のエースから5点を奪った相手打線を直球とスライダーで翻弄(ほんろう)し、無安打に抑えた。チームは敗れたが、金城は「変化球もまっすぐも空振りを取れて良かった」と自身の投球に手応えを見せた。
金城と田崎は伊波保育園からの幼なじみ。小学2年に前原ルーキーズで共に野球を始めると、伊波中学では全国8強を経験。共に興南高校に誘われると、「一緒に甲子園に行こう」と興南への進学を決めた。
金城は今夏、「自分が彼を支えられたら」と田崎の後を務める救援として活躍。沖縄大会決勝では、3点差を追いつかれた7回2死から好救援を見せ、チームの劇的なサヨナラ勝利につなげた。友でありライバルの田崎について「颯士は小学校からずっと自分が追いかける立場。すごい投球をするので尊敬する」と語ると「(田崎の活躍に)少し悔しい部分はあって、練習でも颯士に追いつく気持ちでやってきた」と自身の成長にもつなげた。
今後は沖縄県外の大学で野球を続ける予定。田崎とは「大学は別々だと思う」と初めてチームメートではなくなるが「いつか神宮で戦えたら」と幼なじみとの対決に意欲を見せた。うるま市で10年以上共に歩み続けた2人が、次は対戦相手としてグラウンドで相まみえる。