◆パリ五輪 第14日 ▽レスリング(8日、シャンドマルス・アリーナ)
女子57キロ級準決勝で世界女王の桜井つぐみ(育英大助手)がヘレンルイーズ・マルーリス(米国)に10―4で逆転勝ち。決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。決勝は第2シードのアナスタシア・ニキタ(モルドバ)と対戦する。
マルーリスは2016年リオデジャネイロ五輪53キロ級で吉田沙保里の4連覇を阻止した選手。桜井はパワーに屈せず圧倒した。開始約30秒に2失点も、第1ピリオドの終盤にスタンドから一気に押し込み4点を奪い逆転。4―2で折り返すと、第2ピリオドは得意のアンクルホールドで得点を重ねた。「ポイントは取られてしまったが、その後修正することができた。後半に自分は強いので、後半に絶対取れるんだっていう気持ちでやった」と振り返った。
1回戦でカナダ選手を6―1で下し、準々決勝はエクアドル選手にフォール勝ち。第1シードとして盤石の強さを発揮している「明日は絶対に勝つという気持ちをもって、1試合ですべてを出し切って、絶対に優勝できるように頑張ります」と宣言。五輪4連覇の伊調馨、同2連覇の金城梨紗子が背負ってきた階級で、伝統を守り抜く。
この階級は五輪4連覇の伊調馨(ALSOK)や五輪2連覇の金城梨紗子(サントリー)が活躍してきた。国内選考では金城を破り、世界選手権を2連覇して代表入り。日本女子の伝統も背負って初の五輪に挑んだ。
高知県出身。県勢では1932年ロサンゼルス五輪の競泳男子1500メートル自由形で優勝した北村久寿雄以来、92年ぶりとなる金メダルにも王手をかけた。