9日に行われる水泳のオープンウォーター(OWS)男子10キロに出場予定だったスウェーデン代表が、会場となるセーヌ川への水質懸念を理由に出場を辞退した。スウェーデン大手日刊紙「ダーゲンス・ニュヘテル」が報じた。
辞退したビクトル・ヨハンソンは、競泳自由形400、800、1500メートルのスウェーデン記録保持者で、今大会は同3種目に出場済み。プールから川に舞台を移して4種目目に挑む予定だったが、棄権を決断。理由について「(大腸菌などの)数値が下がったとしても、スタートする気になれない」と話しているという。
同国代表ではトライアスロン女子選手が試合から数日後、セーヌ川の水質との因果関係は不明だが、体調不良に陥りおう吐したと報じられている。ヨハンソンは「様々な情報が飛び交っているが、確かなことは、病気になった人がいるということ。トライアスロンの選手はセーヌ川に20分いただけで具合が悪くなった。僕らは2時間、水中にいなければいけない」と訴えた。協議したスウェーデン五輪協会の医療チームも「健康が最も重要」とし、支持しているという。
セーヌ川は水質悪化で1923年に遊泳禁止になり、五輪開催に向けて貯水池を作るなど約14億ユーロ(約2250億円)を投じて改善に取り組んできた。しかし雨の影響でトライアスロン女子は1日延期になり、体調不良を訴える選手が出たことが報じられた。