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【甲子園】札幌日大初出場初勝利ならず…エース左腕・小熊梓龍が初回4失点、9回に2点を返すも及ばず

スポーツ報知 2024年8月9日 7時57分

◆第106回全国高校野球選手権大会第2日 ▽1回戦 京都国際7―3札幌日大(8日・甲子園)

 初出場の札幌日大(南北海道)は京都国際に3―7で敗れ、春夏通じて甲子園初勝利を逃した。エース左腕・小熊梓龍(しりゅう、3年)が1回につかまり、いきなり4失点するなど4回途中でノックアウト。打線は9回に2点を返し粘りをみせたが、及ばなかった。

 春近畿王者の壁は高かった。照明が灯された甲子園で、京都国際の校歌を聞きながら悔し涙を流した札幌日大ナイン。菊地飛亜多(ひあた)主将(3年)は「この逆境を乗り越えたら日本一になれると思っていた。ただ、乗り越えるだけの気持ちが足りなかったです」と、泥だらけになったユニホームで大粒の汗をぬぐった。

 「苦しい展開のスタートになった」。森本琢朗監督(43)がそう振り返るように、大黒柱の小熊が立ち上がりにつかまり想定外のスタートとなった。エースは「弱気に入ってしまった部分があってボール球が続いてしまった」と、1回1死から連続四球やバッテリーミスをきっかけにピンチを招き、4番・藤本に適時打を打たれて先制点を献上。4点を先制されると、その後も相手打線の勢いを止めることができず、4回途中7失点で降板。南大会1回戦以来の公式戦登板となった2番手・島田柊聖投手(2年)が5回2/3を無失点に抑え流れを食い止めたが、序盤の大量失点が最後まで響いた。

 1200人を超える応援団の声援を受けた打線は相手の13に迫る12安打。「粘勝」を掲げるチームらしく、粘り強く好投手に食らいついた。6点ビハインドで迎えた9回は、バットに何度も念を込めて打席に入った先頭の菊地が「あいつ(小熊)には何回も助けてもらったので、打線でカバーしたかった」と中前のポテンヒットで出塁。2死一、三塁から9番・帯川拳誓遊撃手(2年)の適時三塁打で2点を返し、意地は見せた。

 創部当初は専用球場がなく、毎日のように練習場所を探した。当時メインで使っていた球場には所々に木が生え、守備練習は不可能な環境。打撃練習しかできない中でも創部2年目の秋に道大会初出場を果たすなど、先輩たちが着実に歴史を築き上げてきた。そして、創部38年目でようやくたどり着いた夏の大舞台。1勝にはあと一歩、二歩、届かず「必ず初優勝を果たしてもらって、森本先生を日本一の男にしてほしい」と菊地主将。全国1勝、日本一の夢は後輩たちへと引き継がれた。(島山 知房)

 〇…チャンステーマ2曲を作曲したOBの山本真幸さん(26)も声援を送った。南大会準優勝が続いた野球部を後押ししようと、浅利剛之校長が依頼。19年完成の「Nichidai Pride」に今年からは「ブレイクスルー」も加わり、打線を援護した。山本さんは「僕も高3の時に決勝で負けた代で、甲子園に行ってほしいという思いで作った。すごい光栄。一番すごいのは演奏している子たちです」と吹奏楽部の後輩を見つめながら笑みを浮かべていた。

 ★札幌日大・島田柊聖投手(2年=5回2/3を無失点)「自信になるマウンドだった。甲子園に戻ってこられるように、これからも成長を続けていきたい」

 ★札幌日大・帯川拳誓遊撃手(2年=9回に適時三塁打)「来年は終盤の日大と言われるような、(6~9回に)逆転できるようなしぶといチームに仕上げたい」

 ☆京都国際・高岸栄太郎一塁手(3年=千歳市出身。ファイターズジュニアのチームメート・小熊から適時打)「真っすぐに押されたので勝負としては負け。夢の舞台でやれたことに、ありがとうっていう気持ちを前面に伝えたい」

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